<7月>
人生最後の長〜い夏休み。
とはいえ、大学院になると夏休みもあまり関係ない。研究室での徹夜の実験は定期的に行われる。特にこの年は、自分の所属している研究室の教授が実験センターのセンター長となり、尚且つ我々の研究室が夏休み中に工事になるため、夏季限定でこの実験センターに研究室が移されていた。よって積極的に実験設備を使いまくれるためだ。前年までに比べると倍くらいのペースで徹夜実験が行われていた。また、前年までに比べると10倍くらいうるさいメンバーが集結したため、廊下で騒いでいてセンターの教官から怒鳴りつけられるなんてことも。中学生レベルだな(笑)
マラソンは相変わらず15km連ちゃんの日々。北南東への3コースをローテーションで走る。時間にして1時間ちょい、着ているもの全てが汗で重くなる。よって塩分補給のため、勝手に食事の塩分制限を解除した。暑さが厳しかったためか、この頃はコースごとのタイムがあまり縮まらなかった。水分もエネルギーも使い果たして帰ってくる、といった感じだ。
逆に、ここまで暑いのにスタート直後に腹を下してしまい、ソッコーで引き返してしまうことも。このようなことにならないためには、年間通しての体調管理とともに、週ごとの、そして日ごとの体調管理も必要になってくる。その日のマラソンスタートを〇時頃に予定してるなら、昼飯は×時頃にして、食べるものも気をつけて、その後の飲食もマラソンに悪影響及ぼさないものに限るようにして、等々。センセーが言っていた「マラソン中心の生活」の意味がようやく分り始めた時期でもあった。
夏休み中はつくマラの正規の授業は当然休みなのだが、有志により毎週金曜の夕方に練習会が行われていた。ある練習会の日はたまたまセンセーもTAも欠席だったのでA班のTさんと俺が引っ張って走る。西へ進み、つくばエキスプレスの建設現場などを通って万博公園近くで折り返す。西方面は俺は走りに行ってなくて疎かったため、コースは全部Tさん任せだったけどね。とても蒸し暑い日だった。
また、練習のマンネリ防止のため、自転車トレーニングも数回取り入れた。筑波山をぐるっと一周。最初は5時間近くかかっていたが、繰り返すうちに3時間半で帰ってこれるようになる。
カテキョーは夏休み限定の生徒をめいっぱい抱える。担当生徒が史上最多の9人になっていた。カテキョー1日4件行く日も珍しくなくなっていたが・・・1日4件はたぶん世界記録なので現在ギネス申請中(ウソ)。また別の日は、午前中カテキョーに行き、終わったらそのままつくばセンターへ向かい、東京のダイビングショップへ。帰ってきて夕方15kmマラソン。夜、もう1件カテキョーに行く。こんな日が続き、1日1日がとても長く感じられる。他にも新しく持つことになった生徒宅の近くまでバイクで下見に行ったり(初回日に迷っていきなり遅刻しないためにね)。
ダイビングはレスキューコースの1回目と川奈へのファンダイブ。ダイブマスターの資格を取りたいと考えていたので、ステップアップの講習とファンダイブで経験を積んでいく。
・・・と、このように生活の4本柱となっていた大学・バイト・マラソン・ダイビングのため、時間のやりくりに必死だった。よって自分の部屋でのんびりテレビ見たりしてる時間はほとんどゼロ。去年の夏を取り戻そうとするかのように、休むまもなく活動しつづける。
この年は冷夏と言われたが、俺にとっては近年にない「熱い夏」だ。
<8月>
月初めにダイビングのレスキューコースの2回目。去年の夏は俺自身がレスキューされる身だったが今年は逆にレスキューするテクニックを身に付けようとしているのだ。ちょっと内容は違うケド。しかし自分が病気を患ったことで、身体のことに関しては明らかに関心と理解が深まっていた。
夏休み最後はチャリダー旅行 to 北海道。去年計画していたが入院のため断念したやつだ。あのとき準備していた地図のコピーなどを取り出し、そのまま使用した。これまた2年越しの悲願。使用するチャリ(クロスバイク)は購入から既に6年。ろくすっぽ手入れもしてなくてボロボロだった。これではカッコ悪いのでピカピカに磨き、交換可能なパーツは交換、更に全身に自転車レースチームのステッカーを貼りまくり、レース仕様に改造した・・・ただし見た目だけ。頼むから目的地まで、ぶっ壊れずに走ってくれ。これまでにも横浜→四国、横浜→北海道とチャリ旅行に使用し、何千kmも走ってきたお前だ、大丈夫だろう(だからそろそろヤバイんだって)。
1日平均150kmほど走り、夜は野宿。そして毎朝プレドニンを飲んで出発。野宿っていっても道の駅の休憩室だったりで、外でテント張るわけじゃないけどね。今は毎日15kmのマラソンもやってるし、前回みたいに腸閉塞で倒れることはない、という自信はあった。ところがこれまでにない困難の連続。
連日の土砂降りの雨、道なき峠強行突破、寒河江爆走、深夜走行、そして宗谷地方の荒野・・・。
挫折しかけても諦めず走り続けた。地図で見ればほんの僅かな、しかし長い道のりだった。
つくばを出発してから9日間走り続け、そして日本最北端の地・宗谷岬に無事到着した。
一年前は病院のベッドの上で起き上がることすら困難な状態だったってのに・・・。
つくづく、人間の身体ってすげぇなって思う(→詳細:日本最北端)。
<9月>
北海道から帰ってきた。もう2学期が始まっている。
病院では主治医の先生にも、採血の看護婦にも、
「ずいぶん日焼けしてますねぇ」
と言われた。
チャリで北海道行ったことは黙っていたが。検査で別に変わったことなかったから、まぁいいでしょ。
チャリの効果かどうかは知らんが、マラソン15kmコースのタイムがぐんぐん短縮されていく。2週間ほどジョギングからは
遠ざかっていたわけだが、取り越し苦労だった。
残暑厳しいある休日、30kmに挑戦した。コースは西大通→ひたちの牛久→R6→荒川沖→東大通。
これまでバイクでしか来たことなかった場所まで、自分の足で走って来てしまった・・・ちょっと不思議な気分。
この日はペットボトルの水、エネルギー補給用のゼリー、ジュース用の小銭を持って走ったが、
あまりにも喉が渇いたため小銭も含め全て使い果たしてしまい、つくばセンター〜宿舎までのラスト5kmはキツかった。
タイムはちょうど3時間(休憩時間は除く)。
宿舎に帰ってから2Lのスポーツ飲料を一気飲みし、さらに夕飯を食ってカテキョーに行く。カテキョー中も喉が渇いて我慢できなかったので
生徒に物理の問題やらせてる傍らでジュースを飲みつづけていた(オニかよ)。
それでも確かこの日は寝るまでの間、トイレに行かなかったと思う。2L超の飲料完全吸収。
体育科の学生が行っているチャリンコ人体実験に参加した。つくマラの授業で被験者を募集しており、興味があったので志願したのだ。
口にマスクのような測定器を装着して、エアロバイクを漕ぎ、呼気に含まれる酸素だか二酸化炭素の濃度を測定するというもの。
これをプログラムに沿って何度も行い、バイク漕ぎの回転数と呼気の成分から、被験者の身体能力を推測するというものらしい。
結果は・・・結局、聞かず終いだった。
ただ、俺の戦闘力運動能力は典型的な「長距離型」だったようだ。バイク漕ぎ回転数のMAX値は低いが、継続して行った場合の回転数低下がなだらか
である、と。
また、呼気の成分から推定した最大酸素摂取量は64、これはなかなかの値らしい。ちょっと嬉しかった。
最大酸素摂取量の目安は「運動しない成人男性で40代」「瞬発系のアスリートで50代前半」「球技・中距離系アスリートで60前後」
「持久系アスリートで60代」「世界トップクラスのマラソンランナーで70代前半」くらいだったかな、うろ覚えだけど。
このとき測定した俺の体脂肪率は凡人モードでは10%、アスリートモードでは6%。モードによって推定値が異なっているが、
俺は中間とって8%くらいが真値と見てる。いずれにしても、肥満とは程遠い。太り薬(=プレドニン)飲んでるのにねぇ。
実験参加への謝礼はプロテイン(チョコレート味)。なにもそこまで体育会系でなくても・・・。
この日の午後、チャリンコ実験で足が疲れているにも関わらず、つくマラコースの前半部分・約25kmを走りに行った。