35th 佐渡国際トライアスロン大会
2023年9月3日(日)
走行距離SWIM:4km
BIKE:190km
RUN:42.2km
総合タイム13時間47分47秒
天気/気温/風 /32℃/北北東の風5m
朝2:30起床。起床時間も過去最早。4:00前にアストロマンバスがホテル前に迎えに来るので、この時間から準備を開始。朝飯はホテルが用意してくれたお弁当。ボディナンバーシール貼ったり、ワセリン塗ったりと準備。
アストロマンバス乗車するが車内はシーンとしている。なんなら寝てる人も(応援者の可能性もあるが)。4:30過ぎ、佐和田バスステーション到着、ここから徒歩で会場・佐和田海水浴場へ向かう。
まずは隣の体育館でボディナンバーチェックを受けてスイムキャップをもらう。バイクブースに、バイク・ランで使用するものをしっかりセット。近くの選手からクラゲ除け&日焼け止めのクリームを分けてもらい、顔に塗りたくる。うなじへのワセリンも7月のOWSに次ぐ史上2位の量を塗りたくる。軽く菓子パンとKODAでエネルギー補充。
5:15過ぎ、スイムチェックのためゲート通過して海岸へ降りる。今回はスイムだけは自信あるのでしっかりやっておく。っていうかウェット着て待ってるだけで汗ダクになってるので入水しないと耐えられない。その後上がってスタート地点へ移動。予想タイム85分くらいの位置、且つバトル嫌なので外寄りに陣取る。スタート列が幅広いので遠慮せず前ぎみでもいいか。スタート前セレモニーで松田丈志さんが再度登場。昨年はAタイプ、今年はBタイプ出場とのことで、
「昨年自分も完走したとはいえ、それでも、改めてAタイプに出る選手はホントすごいなと思います!」
とのコメント。自分も未知の距離になるが、「制限時間目いっぱい」を目標にしたので、緊張感は全然なかった。

さぁ始まる!!

<SWIM> 2km × 2周 = 4km

朝6:00、先ずはAタイプが一斉スタート。長いレースなので焦っても仕方ない、周囲もいきり立っている雰囲気はない。海岸はけっこう遠浅で腰の深さまで来てもまだ歩いてる人も。コース幅も広いのでバトルも激しさはまったくなく、スムースにスタートできた。とにかくストロークを大きく。「隣の選手と同じスピードで、ストロークは少い」これを目安に黙々と進む。
コースは沖合の2個のブイを回って戻ってくる三角コース。2個目のブイを回ると東向きになるため、朝日が眩しい。1周目ラスト、徐々に水深が浅くなりゴロタ石のとこまできたら突如として大量のクラゲが出現!顔をバリバリ刺されまくり。こりゃ初の体験。スタート前に「ウェット着用を強く推奨」とアナウンスしていたが、間違いない。最初の2qは36分台、スイップストリーム状態なのもあるだろうけど、想定外に早かった。
2周目。1周目楽々だったので自信を持っていけた。うなじズレも発生しておらず、ストレスなく泳げている。序盤より選手がまばらになり、斜めってしまうことが増えたか(俺が曲がってるかと思ったら実は隣の選手が斜めってるなんてこともしばしば)。2個目のブイを回ってまもなく、集団を抜けた形になった。前集団とだいぶ水を開けられている。フィニッシュまでに何とかアレに追いつくのを目標とする。終盤のクラゲに身構えたが、1周目で1,000人近い選手に掻き回されたためか、グッと数が少なくなっていた。1周目は周囲の選手に釣られて早めに立ち上がってしまったので、2周目は座礁寸前まで泳いでEXIT。

- Transit 1 -

スイムアップ1時間14分台、予想以上の好調な滑り出し。疲労感も全然なし。足に響くので固い舗装面はあまり走れず。道路に設置のシャワーでウェットを全部脱ぐ。トランジションエリアに入っていくと、前方の選手がゴーグル落としたので拾ってあげる。エリア内の芝の上はやわらかいので走る。例によって相当数のバイクが未だラックに置かれている。ヘルメット、ゼッケンベルトと装着。そして今回はサングラスではなく眼鏡、これも初めて。ランゴールが日没後になりそうなのと、バイクコース中の佐渡の景色をしっかり拝みたいのが理由ね。トランジションタイムは7分ちょい。

<BIKE> 190km

佐渡島一周の旅がスタート。レースでは走ったことのない距離、でも不安より楽しみな気持ちのほうが大きい!

この日の風向きは朝方が北東風、徐々に北北東へ変わっていく予報。つまりバイクコース中盤、佐渡北端から南端の小木までの100km近くが追い風基調となる。である。ってことでスタートから佐渡北端まではやや向かい風になるのだが、東側が山で遮られているためか、風のキツさはほとんど感じなかった。無理のないペダリングで30km/h前後をキープ。
このあとのランコースにもなっている海岸線を離れると、早速緩やかなup/downが始まる。無理せず、えっちらおっちら登っていく・・・とリアディレーラが外れてしまいチャリを引いている選手が。見たことない状態だが、今ここで起きちゃうか。他の選手も190kmの序盤から無理はしないようで、けっこうゆっくり。早くも「上りでブチ抜き・下り&平地でブチ抜かれ」の様相。

20km、最初のエイドでアクエリボトルをもらう。ズンと重みが増す。約0.5kgアップ、現ホイールと旧ホイールの重量差くらいあるもんな。これは失敗。ここまで快調だったが、少し足取りが重くなる。
長いトンネル。中は空気がヒンヤリとしていて実に気持ちが良い。コース通じてこんなトンネルが何箇所かあるため、身体の冷却と、精神的にも気分転換になりよかった。
タイトなカーブも多く。ストリートビューで予習してあったのでけっこう助かる。19年前に上ったドンデン山。そのドンデン山から下ってくる川沿いの道路。うん、記憶にあった光景だ。その先の海岸線も、道路が広く新しくなっているが、当時の雰囲気のままだ。ここからしばらく、チャリダーとして走った道。
佐渡の北部に差し掛かり、沖縄のヤンバル、八丈の末吉にあたる地域。山・水田・漁村の雰囲気、所謂「日本の田舎」の景色が広がり、心が洗われる。前回に宿泊した民宿「源兵衛」、今は経営してるのか不明だが、建物はしっかり確認できた。また、ここをチャリで、しかもトライアスロン選手として走りに来ることになるとはねぇ、19年前には考えもしなかった。ホント、人生わからんものだ。スタートからここまで50kmちょい。
そのすぐ先がZ坂、忘れるワケがないポイントだ。ココを早く上りたいって思っていた俺はノノムラか?上り始めると、ソッコーで海が遥か下方になってしまう。まさに絶景。坂の途中、おばぁが路肩でゆる〜く応援している。
「来てくれて、ありがとう〜」
最高の場所で、最高のお言葉である。最初のヘアピンカーブ曲がるところで初めてペダルの上に立つ。ダンシングとシッティングを交互に使って上っていく。次のヘアピンではドローンで撮影が。この映像、見たかったな。その先はトンネル、これは以前来たときから新しくなっている。が、やはり細く、暗い。
トンネルから少し進んだところで「Z」の字は終わるが、まだしばらく登りは続く。峡谷に掛かる橋、右手の山間から小さな落水が。ココもよく覚えている景色。狭い山道でカーブが連続していることもあり、前後に誰も見えないことも。ちょっとキツくなってきたか、登坂でも他の選手を抜けないことが増えてくる。やはり、あの練習量では無理があったか?

<写真1>9:50頃、大野亀を通過。長いバイクコースの中でも特に印象的な場所。上り坂でキツいけど。

何度かアップダウンがあった後、一気に海まで下る。逆Z坂?
海辺に下り、僅かな民家のならぶ集落を通過。少し雨が降ってきたか?と思ったが大降りにはならず。しかし日差しがなく暑さは一時和らいだ。まもなく海に突き出したバカデカイ岩が、前方に見えてくる。大野亀だ。ここも、このコースを象徴する絶景ポイントと言って良い。直前は道がせまく、すれ違う対向車はかなりスピードを落としてくれていた。そして登坂ということでアタッキングポイント。このバイクコースは確かに面白い。
Z坂と小木坂以外はフロントインナー使うことはないと思ってたが、トンデモない。大野亀も含め、この先何度も使うことに。

その後もup/downは続くが、難所はなく、気づけば佐渡最北端の弾崎入り口。チャリダーで来た時と同じく、あっさり到着した印象。ここから南下が始まる。
長いトンネル。そういえば昔は海と崖に挟まれた細い道もあったっけ。そういうところ、山ブチ抜いてトンネルになったとこがあるんやな。黒姫大橋、ここも記憶にしっかり残ってる場所。
徐々に追い風基調になり、30km/hキープが楽々になってくる。風の神様が味方してくれたな、ホンマ。自販機休憩した鳥居がある場所、ココもしっかり確認できた。ドンデン山入口の標識を過ぎ、両津市街地へ。商店街に入ると一気に応援が増す。追い風なので、いちいち手を振り返したりする余裕あり。両津港付近を通過した先、左折・すぐ右折とクランク状に曲がり、再度、海岸沿いの道路へ。

ここから少しずつ東向きになるので、斜め方向からやや向かい風ぎみになる。傾斜も最初はフラットだが、水津地区へ向けて、徐々にup/downが始まる。ストリートビューの事前確認で坂道があるのはわかっていたが、予想外にキツかった。当然、フロントインナー。短いがキツい坂がちょくちょくあり、速度は最遅で7km/hにまで低下、でも周囲の選手も同じ速度。前方の選手見ても「遅っ!」って思ってしまうほど、もうチャリのロングライドやってるような状態。


<写真2>11:20頃、両津港を過ぎた辺りかな?ここから水津まで、徐々にキツくなる。

<写真3>12:20頃、水津AS〜多田WSの区間。補給と追い風で息を吹き返したあたり。


118km地点・水津AS手前で「この先のAS、バイクボトル無し」の看板があって焦ったが、持っているボトルに自分で継ぎ足して行けってことだった。ASでは降車してオニギリとかマトモな補給を取る。再スタートすると、スッと体が動くように。もう一丁イケるぜ、しかもココからは平坦基調の追い風区間。
佐渡島の南半分、所謂「小佐渡」は比較的単調。追い風なので平地では無理せず30〜35km/hで飛ばせている。時折集落を通過し、その先は登坂やトンネルが来る、といったパターンだが、大きな難所はなく場所によってはDHポジのまま上り切れる。八丈島の坂道使ってDHインターバル練やったの、無駄にはならなかった。何となく、平地でもズバズバ抜かれることが減ってきたが、最初よりばらけて来てるから当然か。山が迫り道幅がグッと狭くなっている区間も。そして相変わらずトンネルも多し。単調とは言っても、ホント飽きがこないコースだ。155km、宮古島の距離を超え未知の領域へ。

コースの最南端、小木地区へ到着、道路は左折。ボトルキャッチャーにボトル投げたが盛大に失敗(笑)19年前は直江津からここへ上陸、夕飯のために入った居酒屋で地元のおっちゃんにつかまり遅くまで飲みにつき合わされたり、フェリーターミナルで1泊野宿した思い出の場所。スーパーとか見覚えある建物もチラホラ。そして港前を通過して右折すると、来ました、小木坂。160km超えてからのこの傾斜はマジで。覚悟を決めて登坂開始。
脚を使いすぎないことだけ考え、あとは無心で上る。ずっと追い風区間だったためか、意外に疲労感はなく、イケそうな感じ。仲間同士だろうか、TTバイクで並走している間を抜いていく。安っぽいチャリ乗ってる俺が、淡々とペダル回して追い越していったので少し戸惑ったような雰囲気だった。俺のチャリ、リアの最大歯数が25だが、みんな28とかが普通なんか?特にケイデンス高いわけでもないのに、上り坂だと明確に追い抜く一方になっちゃう。あと、うろ覚えだが、ダンシング一度も使わなかった?坂道無しの練習コースが設定不可な八丈島で練習してたから、慣れちまったか?これだけキツい坂が続いているのに、脚にくることがなかった。ちゃんと体幹でペダルを回せてる。DHインターバル練習、大正解だったな。
マジもんの激坂は上り始めてしばらくまでだが、その先も長い長い上りが続く。フラットになったから頂上かと思っても、まだ坂がある。上り苦手な選手にとっては地獄だろう。チラホラと、Bタイプの選手にも追いつき始める。路肩でストップしてる選手も。169km地点で最後のAS、KODAボトルが尽きたので捨て、コーラボトルをもらう。ゴールまでのENERGY源はコレだけだが、残り距離は20km、何とか持つだろう。ようやく下りが始まる。

下りきって島の西側の海沿いに出る。ここから佐和田海水浴場まで北上・・・つまり向かい風である。ラストでこれは堪えるが、中盤ひたすら楽させてもらった分だと言い聞かせて踏ん張る。そしてすぐにもう一回上りが来る。こちらも「試走」の記録を読み直してあったので心構えはできていたが、「こんな長い坂あったっけ?」って驚くほど、長々と上りが続いた。小木坂から上りが連続だったので、ここへきて左足小指痛が顔をのぞかせる(大したことなかったが)。いつのまにかこの症状も忘れてた。
再度、つづら折りの下りを経て平地へ、市街地に入って来る。また応援が賑やかになり、後方からの車両通行もやや増える。たまに他の選手をパスするが、大概はBタイプのタレてしまっている選手、俺が速いわけじゃない。R350とR65の別れ道は左へ。しばらく市街地を走った後、大きくカーブして橋を渡る。バイクフィニッシュは近い。GSで左折、すぐに右折して橋、佐和田海水浴場へ戻ってきた。時刻は15:00前。ピナ2、よくぞ戦い抜いた。最高の走りだったぞ!


- Transit 2 -

降車ライン手前で降り、バイク押しながら歩いてトランジションエリアへ。長かったし楽じゃないが、最後まで集中力は切れなかった。例によって相当数のバイクが既にラックに置かれている。トランジションエリア内の仮設トイレで用(小)をたす。事前に準備してあったポーチとキャップを忘れずに確認し、ランコースへ出発。
スタートからまもなく9時間。ラン練習ゼロの状態で、この炎天下で、今からフルマラソン。でも、そこまでやってこそなんだよ。最後のランこそがトライアスロンの真髄なんだよ。ここで逃げてはトライアスリートは名乗れない!

<RUN> 10.55km × 4周 = 42.2km


<写真4>ランスタート直後。15時前でまだまだ炎天下。この後しばらく歩いてしまい、リタイヤが頭を過る。

まずは本部エイドでお決まりの「行水」。早速、靴の中までずぶ濡れになる。頭・顔・身体、全てを冷却。この先、全てのエイドで1度も欠かさずコレをやることとなる。
あ、集中力切れてないとか言いながらペナルティボックス確認するの忘れた。まぁよっぽどじゃなきゃ書かれてないだろうけど。

最初は海岸線の道路を往復。日光を遮るものは一切ない。が、暑さを感じる間もなく疲労が襲い掛かる。最初のエイドに到着、かなり長く感じたが何とまだ1.5km程度。2つ目のエイドでやっと3kmくらい。そして、その先で早くも歩きが入ってしまう。
周回コース・・・長い。しかも本部まで戻って終了じゃない、そのあと商店街も往復してようやく1周だ。・・・コレ、無理じゃなかろうか。歩きのまま折り返し地点を通過。向きが変わると正面から風があたるようになる。顔に風が当たり、相対的に涼しく感じられる。それが幸いしたのだろうか、もう一度走り出すことができた。歩いたのは1kmくらいだったか。私設シャワーも全て水を被っていく。制限時間までまだ6時間以上あるとはいえ、今から歩いていては時間内完走が危うい。せめて、2周回終了までは走ろう。そこから先は歩いてもいいじゃないか。

それでも、歩きたい。いや、歩いたら間に合わない。本部前まで戻っても、まだ商店街往復がある。しかも微妙に上りになっている。長い・・・ほんとに1周回が絶望的に長かった。


2周目。本部エイドで周回確認用のゴム(緑)をもらう。
「2周目・・・頑張って!」
スタッフの言葉からも、先はまだ長いことが窺われる。やっとこ10km・・・練習で走る距離も走っていないが、進まねば。キロ7分でも5時間は切れるんだ。ゆっくり、ゆっくりでいい。我慢で進む。とにかく歩を止めない。先を見ると気持ちが折れるので、目の前の地面だけを見ていく。"NUMAZU"の文字が入ったウェアの選手も見かけるが、話しかける余裕もなくスルー。
1個目のエイド、スタッフの1人の兄ちゃんは、確実に数日間声が出なくなるだろうというほど声を張り上げて、選手を鼓舞。同じエイドを往復計8回通過するわけだが、常時この声を出していた。彼のおかげで完走率が数%上昇したことだろう。

脹脛と脛が両足とも攣りそうな状態。そりゃそうだ、ラン練習ゼロだもの。15kmも走ればいっぱいいっぱいになるだろうよ。痙攣ストップすると一気にタイムロスするので是が非でも避けたい。とにかく脚を使わない走りを徹底。体幹だけを意識、すり足みたいな走り方をキープ。
10年前に比べたら能力はガタ落ちだ。それでも、当時挑戦したことのない距離を俺は今走っている。あの頃を超え、今が俺史上最高の瞬間、まさに「俺は今なんだよ」状態。RUNは最後の1秒まで諦めないことを目標にしたハズ。もちろんリタイヤしても、また次回申し込みはできる。でも次回はチャリトラブルで終わってしまうかもしれない。あるいは来年以降、距離が短縮され二度と挑戦できないかもしれない。今ここで完走しなかったら、人生最期の瞬間に今日のことを後悔することになるだろう。

ひたすら我慢し続け、本部へ戻り商店街へ。これが3周目だったらなぁ・・・と現実逃避したくなる。次の周回が終わったら、ラスト1周だ(笑)

3周目。2個目は赤ゴム。日没の時間となり、ランコース沿道には仮設照明が並び始める。折り返しやエイドまでの距離感がわかりやすくなったか。距離変わるわけじゃないけどね。
ふと、意識が飛びそうになる。エネルギー枯渇と思い、最後のKODAをぶち込む。知覚過敏により奥歯が激痛、既に身体は悲鳴を上げている。フル走るんだから、補給テキトーじゃダメなんだろうけど、先のことを考えている余裕はない。KODA2本持ってスタートしたから、単純に距離3等分したタイミングで補給すればいいやって感じ。
日が沈んで暑さがなくなったからか、ペースが上がった?気のせいかな。2周目・3周目と歩かずにキープしたが、集中力も限界だ。本部前通過して商店街へ上っていく。沿道の男性、
「おしっ良いペースだぞ、キープキープ!いけるぞ!」
切れそうな心をなんとかつなぎ留める力となる。商店街は照明が灯り、完全に夜。でも沿道の歓声はさっきよりむしろ増してるんじゃないか?知らん人のブログで見た写真の光景になってきた。あと一息。


<写真5>19時過ぎ、4周回目。最後の最後だ。

4周目、本部エイドで最後の黄色ゴムをもらう。
「ラスト1周、楽しんできて!」
もう残り全部歩いても完走はできる。が、走ろう。最高の大会、力出し切ってゴールするんだ。沿道で応援の、既にゴールした女性選手だろうか
「みんなホントかっこいいよ〜!」
そう、ロングに挑戦している選手は全員カッコいい。間違いない。暗くなってもひたすら走り続ける、これもロングディスタンスを象徴する光景である。まぁ遅いからこそなんだけど、コレはコレでトライナルシスト垂涎のシチュエーションである。俺は未体験だった(ウルトラも含め、西日本の大会ばかりで日が長かったもんで・・・)けど、そっか、今日ココで体験することになったか。しかし、それが当たり前のように走る。
「2度目の風」も来ない、いや3周目がそうだったのかもしれない。限界。最後の折り返し、若者のグループが選手一人一人に盛大な応援をしているが、元気に応える力も残っていない。照明がない区間はけっこう暗いが、照明近くは眩しい(そして大量の虫が・・・)。走っている選手数がまばらになってきて、大会自体も終わりが近づいている雰囲気。
本部のアナウンスが大きくなってきた。左折して最後の商店街へ。少し気持ちが戻ってきたか、前方の選手を捉え始める。商店街を最後の往復、少し下りになるのでペースアップ。前方の選手数名に追いつきそうでゴールが被ってしまうかと思ったが、まだ周回を残していたようだ。海に向かって下りながら、フィニッシュゲートのある左手、会場側へ入っていく。



<FINISH> 4km + 190km + 42.2km = 236.2km

最後は落ち着いて歩いてゴールでもいいかなって思っていたが、やはり走りたい気持ちは抑えられない。ヘロヘロ走りから一転、快調な足取りに。アナウンスで俺の紹介がなされる。初の日没後フィニッシュ。何度も諦めかけた、アストロマンとなる瞬間!



・・・
・・・・・
・・・終わった。よくやった、俺。


ゲートの先では佐渡市長がお出迎えしてくれて、両手タッチ、そして完走メダルを首に掛けてもらう。本当に、走り切れたんだと、ようやく理解する。が、周囲の様子が視界に入らないほど、限界突破していた。


フィニッシュゲートの先、椅子のある休憩スペースへ。タグを返却、メダルケースを受け取る。周囲のフィニッシャー、俺と同じように限界で立ち上がれない人、余裕で他の選手と談笑してる人、様々だ。しばらく座って休むが、RUNでGPR(←ナニコレ)しすぎたか若干の吐き気。水分とりたいが、飲んだら吐いてしまいそうな感じ。トイレで再GPRしたいが、両足のふくらはぎと脛が攣って立ち上がるのも無理。ちょっとヤバいかなと思って、周囲のスタッフに声を掛けると、
「救護スペースもありますので、行きましょうか」
ってことで、車椅子に乗せられ体育館の救護スペースへ連行される。トライアスロン20回目にして初めての体験である。体育館内の仮設ベッドに横たえられ、若い医師から色々説明される。熱中症・脱水症の症状でしょう、と。熱中症にも1度・2度・3度と段階がありまして・・・etc.。
「経口補水液を摂取してみましょう、それも吐いてしまうようなら点滴が必要なので病院行く必要があります。」
と言われ、それは困ると思い、頑張って経口補水液を少しずつ口にし、500mL飲み切る。吐き気は少し収まったか。脚の攣りについては温マッサージしてもらったら一気に楽になり、立ち上がれるようになった。落ち着いてきたところでお礼言って退出。

バイクブースへ戻り、荷物を袋に突っ込む。うわちゃ、バイクに取り付けたベントーボックス、KODAの残りが漏れ出して思い切りベトベトやん。ホテル戻ったら水洗いやな。袋3つ背負ってバイク引きながらゲートアウト、いよいよ終了。本当に、出場して良かった。今日を含めこの数か月間、諦めなくてよかった。



<写真6>大会フィナーレの花火。少し離れたバスステーションから。

ホテルまでの帰りはアストロマンバス。乗り場の佐和田バスステーションまでチャリ引いて歩く。到着したときはまだ選手の姿は1〜2名。1本前の便に乗れるかと思ったが勘違いで、残りは予約してあった最終便だけだった。チャリは輪行袋に入れろということだったので似非輪行袋にテキトーにブチ込んで終了。22:15まで、地べたに座り込んでダラダラ待つ。待ってる間に他の選手たちも引き上げてきて、グダグダとおしゃべりできたので、これはこれで心地よい時間だった。制限時間となる21:30、レース終了を告げる花火が打ち上る。感無量である。

バスが来て、降りる順と逆で乗車&チャリ積み込みが始まる。同じ宿の男性選手も同じバス。お互い、お疲れ様ですな。
時刻は既に23:00前、普段なら就寝の時間である。こんな時間にまで送迎バス走らせてくれて、つくづく運営側も大変だろうと思う。アストロマンバス乗車もこれで最後になるが、若いスタッフさんに、運転手さん、本当にお世話になりました。


ホテルに戻り、部屋の浴室に機材をぶちまけて取り合えずシャワーで水流し。ベトベトギトギトドロドロを洗い流す。明日出発までに乾かないだろうが、やむをえまい。23:00過ぎ、宿で夕食(例によってすげー豪勢www)を用意してくれたが、胃が完全にヤラれており何も受け付けない状態。たりめーだ。刺身数切れを口にしただけで大半を残してしまう。こんな遅い時間にしっかりと準備してくれたのにスミマセン。ただし!味噌汁だけは身体がすごい勢いで欲しており、おかわりを数杯いただいた。後から知ったが、レース時にボトルに味噌汁入れといて口にするのも有効なんだとか。次回試してみようかな。



自室に戻り、長い長い一日がようやく終・・・


・・・ることはなく、史上最大の「眠れない」症状を発症しつつ、翌朝を迎えることとなる。


<リザルト>

SWIM 1'14''51 (128位)
BIKE 7'29''30 (435位)
RUN 4'56''04 (260位)
TOTAL 13'47''47 (276位/965人)


無事完走できた、それが全て。

この年齢になれば、タイムとか順位とかどうでもよくなってくる。という前提で、それでも次のための備忘録を残す。


スイム。トライアスロンとしては過去最長の4kmだったが、楽々フィニッシュ。海で何度も泳いで海慣れしてた・・・っていうかこれだけ海練して臨んだ大会は初めて。プールがなくて海で練習せざるを得ない不便な環境が、逆に功を奏した。スイムは今回と同じ練習で、負荷だけ上げていけば十分。大会では外寄りからスタートしバトルを避け、2周目とかでバラけてきたら曲がらないように内側のロープ沿いを泳ぐのが良さげ。

バイク。練習が最後は尻すぼみになってしまったが、それまでの土台は崩れてなかった。DHインターバル練も効果バッチリかと。練習で走った距離は最大120km程度だったのに、八丈島という、坂道と風から逃れられない環境が功を奏したか。高負荷なら距離乗らずとも何とかなるのかも。ま、当日は風向きが神ってたのも大きいから、早計は禁物。次は補給食をもっと丁寧に準備すること!

ラン。練習ゼロで臨んだので、今回のは参考にならんな。暑さ以前に、この状態じゃフツーにフルマラソン走っても30km過ぎには歩き出してしまうのに。練習も含め、無理なスピードで通さずとも、チンタラペースで十分行ける。良く言えば俺の地力なのか。この状況で70人抜いてる。



サイッコーの大会だったのに「練習やり切って悔いなし」の状態で臨めなかったのが唯一の心残りか。逆に、たったアレっぽっちの練習でココまでできたんだから、故障が完全に癒えるまで、割り切ってRUNは1年でもストップしてもよい。次は全てやり切った上で臨みたい。

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