◆1日目:島へ渡る日◆
車にチャリを積んで高速で一路名護へ。コンビニで飯と3日分のお茶を買って、運天港へ。
フェリー乗り場は既にトライアスリートたちでごったがえしていた。またこの日がやって来たのか・・・。
さてフェリーが出航。今年は2回目だし、景色も見ないでキャビンにてコンビニ飯を食べる。沖に出るとうわぉっ!すごいウネリだ。
原因は台風が日本に接近していたため。ちなみにこのときの台風は20号、今回の大会は第20回の記念大会。なにやら奇遇ですな。
伊是名島へ到着。港ではフェリーの到着を待ち構えて、シーサーの舞に続いて、島の小学生たちによるエイサーでの歓迎。
去年、初めて来てこれには感激したが、今年はジーンと感動した。あれから一年たったのか・・・早かったなぁ。
去年は「トライアスリートご一行様」「お帰りなさい、伊是名島へ」の横断幕にも、いまいちピンとこなかった。
去年は島へ来た時点では俺はトライアスリートではなかったし、伊是名島へ来るのも初めてだったから帰ってきたわけでもなかった。でも、今年は1歳のトライアスリートとして帰ってきた。
<写真1>今回は宿取れず、諸見地区体育館で雑魚寝。
さて、今回の宿泊場所、諸見地区の公民館を探す。民宿はなんと7月末の時点で予約満杯だったのだ。それだけ、この大会の人気が
急上昇しているのだろう。
公民館は徒歩5分の場所にあるのに、発見するまでに車で20分ほどかかった。
今回はここでザコ寝。しかもちゃんとした部屋は団体様用に割り当てられており、少人数の者は舞台の上に茣蓙を敷いて寝る。
まずはチャリに乗ってBIKEコースとRUNコースを試走に行く。BIKEコースは島の外周道路13.5km、RUNは内回りのコース10km。BIKEコースは1箇所、コースが変更になっていた。島の東側、新しい海沿いの道路ができてそちらを走るようになっていた。公民館に戻り、シャワーを浴びて、夕方から体育館で説明会。今年も千葉夫妻による説明がなされました。
夕飯は地区のおばちゃんたちが公民館の台所で用意してくれました。・・・おい、野菜系多すぎるぞ!もっと炭水化物中心の飯にしろよ(笑)その後、友人何人かとメールをやりとりしながら、21時には床に就きました。
・・・想定外だったのは蚊の多さ。が、俺は虫除けスプレーを持っていったのでOK!他の選手たちは相当苦しめられていたハズ。
寝不足確定だな。ふっ、まずは1歩リードを奪ったぜ(セコイっ)。
◆2日目:島を巡りに巡った日◆
スタートが8:00のため、4:30に起床。のハズが誰ぞやの目覚ましが4:00に鳴り響いたため、そのまま起きることに。他の選手も何人か起き始め、ロビーのテーブルで朝食を摂っている。俺は自分で用意したパンやミカンを食べたがおばちゃんたちが朝食を用意してくれたので、それも全て平らげてしまう。まぁエネルギー切れを防ぐためには食べておくのもいいだろう。
スタートまでまだ3時間あるわけだし、スタートの時間には腹が減り始めてるかも?
受付は6:00〜7:30にスタート地点の伊是名ビーチで行われるため、トランジット袋を担いでチャリで移動。
公民館から近いトランジット2にラン用の道具を入れた袋を設置し、スタート地点へ向う。
伊是名ビーチのトランジット1に到着、ここにバイクとバイク用のスーツ等を入れた袋を設置。
そして受付で問診表を提出、ボランティアの中学生に両腕にマジックでゼッケンNo.296を書いてもらう。
そして計測チップを左足首に取り付けて受付完了。
バイクブースに戻り着替え&エネルギー補充をしていると、隣のNo.295の選手に話しかけられた。
No.295:「去年も出られたんですよね?ゼッケンNo.が隣ってことは同じくらいのタイムだったのかな?」
どうやらリピーターはゼッケンNo.が若いらしい。彼もいぜなは2回目。京都から出向いてきたと。ご苦労なことです。
7:30を過ぎた頃、上着を脱いで海パン一丁でビーチへ向う。去年に比べて海パン一丁の人も多いように見えた。
身体を冷やさないようにするため、入水チェックはせずに砂浜で待つ。
開会式。20回連続出場者(!)3名による選手宣誓が行われる。そして琉球放送(OTVだったかな?)のアナウンサーだかなんだか
が壇上に上がって、またキンキン響く声で選手に発破をかける。
その後、日体大の男子学生による伝統の「エッサッサ」が自主的に披露され、大いに盛り上がる。スタート時間が刻々と迫ってくる。
そして午前8:00、号砲とともにトライアスリート500人が伊是名ビーチに飛び込む!
<SWIM> 1km × 2周 = 2km
− 1周目 −
大会史上最多の参加人数ということでスタートラインの幅がこれまでよりも広くとってあったようだが、バトルになることには変わりない。
パンチ、キック、エルボーはもちろん、今年は新必殺技「アイアンクロー」「後方馬乗りプレス」「息継ぎ封じ」などを喰らいました。
スタートから40分後が満潮の時刻、ということでほとんど潮は止まっているという予測。昨年は最初のコーナーを曲がったとたん
かなりの潮流があって進みが遅くなったが、今年はそんなこともなかった。伊是名ビーチは熱帯魚がたくさん見られると紹介されてるが、
この日は恐ろしい数の人間に恐れをなしたのだろうか、魚はほとんど見られず。ムラサメモンガラが見られたくらいしか記憶にない。
そうこうするうちに陸地が近付いてくるのが見える。海底の岩や海草がなくなり、白い砂と珊瑚のかけらだけになる。1周目終了だ。
一旦水から上がって砂浜を5mほど走り、すぐに入水。ホント、プールでの1kmに比べたら海はなんと楽なことか。
− 2周目 −
選手がバラけて泳ぎやすくなっているが、まだまだバトル状態。
海で泳いでいると方向感覚を失いやすいので、隣の選手と併泳するほうが安心して泳げるのだが、後ろから追い抜こうとしている
選手からすればハタ迷惑。「並んでゆっくり泳ぐな」自分も何度か迷惑と感じたが、同じくらい他の選手に迷惑がられていたことだろう。
最初のコーナーで周囲の選手が大きく外へ膨らむ。俺はロープから離れないように意識して泳いでいたので、
周囲に誰もいなくなって楽々泳ぐことができた。が、気を抜くと即座に方向感覚を失い、ロープに突っ込んでしまったり、ロープについている
フロートに腕や頭をぶつけること数回(けっこう痛い)。
う〜口の中が塩辛くなってきた。疲れよりもむしろこれがきつく感じられる。
さぁ、陸地が近付いてくるのが見えてきた。ラスト、周囲の選手もスパートしてるのが感じられる。
俺も負けじとスパート。水深50cmほどのとこまで来て立ち上がる。周囲は大歓声だ。
- Transit 1 -
口の中が塩辛かったのでエイドステーション(以下AS)の水で口を漱ぐ。ウェットスーツの選手はシャワーのとこで脱いでいるが俺は素通り。自分のバイクブースへ行くとNo.295の選手は既に着替え始めていた。
俺:「お、速いっすね」
ダラダラと緊張感なく着替えていたが、ここで横着して足に砂がこびり付いた状態でソックスを履いてしまったため、後々不快な思いをすることになる。ウィダーを一口だけ口にいれて、BIKE STARTへ向う。
<BIKE> 13.5km × 約5周 = 66km
<写真2>バイクコース。山はないが、小さな坂がちょくちょくある。
− 1周目 −
最初は全然疲れてないので楽々スピードが上がる。いつも通り、バイクスタート直後はすげーワクワク状態。
が、困ったことに腹が苦しい。調子に乗って朝飯を喰いすぎたのが原因か。今回のレースは最後までこの腹の圧迫感に苦しめられることとなる。
しかもウェストポーチを巻いていたため、余計に下腹部が圧迫される。こいつは失敗。荷物は全てチャリにくくりつけるべきだ。あとはチャリダースーツの
背中ポケットにフードを入れるくらいか。
過去の経験ではバイクでスタートしたとたんガンガン抜かされていくことが多かった。今回も同じだが、去年ほどアホみたいに抜かれることはないように
感じた(少なくともこのときは)。
昨年は北風10mで、島の西側〜北側は強烈な向かい風だったが、今年は無風に近い。
また、島の東側、海沿いの広い道ができたため、昨年までとコースが変わっている。昨年は畑の間のup/downのある狭い道がコースとなっていた。
そんなわけで、バイクは相当ラクになっていた。・・・実力がアップしたわけじゃないのね(泣)
チェックポイント1回目。チャリのフレームに張った5本のガムテープを一つ、ハンドルへ移動させる。
− 2周目 −
フェリーターミナル前を通過、直前にS字の下り坂があり、ギャラリーも多くて気持ちいいポイント。
港の前の直線道路を爆走、仲田地区を抜けて伊是名城跡を通過。ここから少し山道っぽくなる。
変化の大きいバイクコースの中でも一番景色の良いポイントだ。クネクネと上り坂を登り、展望台を過ぎると
カーブが連続する急な下り坂。ここは危険なため追い越し禁止ゾーンとなっている。後方から速い選手が来ていないか確認してから進入。
S字カーブを漕がずにスピードに乗って駆け抜ける!気持ちいいぜ!
下り切ると伊是名地区のメインストリート、ここにバイクコース唯一のASがある。だが腹の苦しさがあるため、給水は避ける。
前日の説明会では水分補給の大切さが強調されていただけに、若干の不安を覚える。
2周目終了の時点で時間を確認すると、1周を29分ほどで来ている。去年より明らかに速いペースだ。
− 3周目 −
かなり選手がバラけてきた。前後に選手の姿が見えなくなることもしばしば。
伊是名地区へ下る追い越し禁止ポイント、だが後方からゼッケンNo一桁の選手が来たので道を譲る。
向かい風がないため、去年地獄を見た島の西側〜北側でも楽々走れている。
島の北側に位置する内花地区は去年よりギャラリーが少ないようで、若干の寂しさを覚える。
その先、島の東側、海沿いの新しい道路ではチャリがパンクして路肩で修理している選手の姿が。
外見、速そうな選手なのに、無念だろうな・・・。俺もレース中のパンクだけは経験したくないものだ。
チェックポイント手前のカーブ、女の子数名が声援を送ってくれているポイントではカッコつけてカーブを曲がる!(笑)
いや、男性選手は全員意識してやってたハズ。
<写真3>伊是名城跡付近。
− 4周目 −
昨年は4周目に入った時点で相当へバリが来ていた。
「この回が終われば残り1周、ってことは上り坂をあと○回登れば終われる・・・」
というようなことを考えていた。でも、今年は平気だ!
伊是名城跡の手前、周回遅れの選手だろうか、スピードの遅い女性選手を俺が右から抜かす。
その俺の更に右を鬼のようなスピードで周回リードの選手が抜き去っていく!既に相当な差がついている模様。
伊是名地区のAS、ここで初めて給水。水を一口飲んだだけだが、グンと力が出るようになる。
ただ、4周目で調子に乗って飛ばしたため、その後のヘバリを招いてしまった感がある。
内花地区の先、真っ赤なスーツと三角メットの周回リードの選手が爆走していく。トップ争いしてる選手だろうか?
ちなみにカーボンホイールのチャリが後方から来るとゴーって音がするのですぐに分る。
チェックポイントでタイムを確認、1周29分をキープしている。この分なら、5時間切りを達成できるかも?
− 5周目 −
チェックポイントを通過する際にガムテープを外すのを忘れており、仲田港を過ぎたあたりで慌てて外す。
伊是名城跡を通過するとき、ずっと前から併走していたじーさんチャリダーに話しかけられる。
じーさん:「わしゃぁ上りはダメなんじゃ、上りにはいったら先に行ってくだされ」
この選手、おそらく71歳の高山選手だ。そしておそらく去年もバイクで競っていた人だ。
去年も、上り坂で俺が追い抜き、フラットで抜き返される、を繰り返した記憶がある。
やはり同じくらいの実力、ってことか。前を譲られてなんか前に出辛くなったので、上りに入っても後ろからついて行く。
って、立ち漕ぎでメチャクチャ若い走りしてるし!71歳って全く信じられん・・・。
伊是名地区のAS、ここで給水。じーさんがコーラを取ろうと給水エリアに急に横から入ってきて接触しそうになる。
その先、up/downを繰り返すポイント、リレーの選手を抜かしにかかる。と、前輪ギアを2速→1速へ落とすときにチェーンが外れる。
今年もやってしまったか。すぐに停車する必要があるので、
左手をかざして合図してリレー選手の前に出てから、路肩に止まる。と、次の瞬間、リレー選手が俺の約1.2cm右を駆け抜ける!
リレー選手:「うわぁおっビックリした〜!」
ビックリしたのはこっちだよも〜、ちゃんと前見てろよ、合図したのにぃ。チェーンを掛け直して即出発。僅かな時間だが大量に抜かれてしまった
(っていうかこいつら集団走行まがいだったぜ)。シーサー?の展望台の先、救急車が止まって救護されている選手が。
疲労で動けなくなったのか、それとも落車したのか?キツイのは全員同じだ。
5周目はさすがにちょっとへばりが見え始めた。やはりそう甘くはなかったか。それでも今年はまだ精神的な余力を残してBIKE FINISH。
- Transit 2 -
ラン用のシャツに着替え、靴紐を結びなおし、昨年の教訓を生かして帽子も被り、ちょっとだけエネルギー補給してスタート。の前にトイレ。
ここでもじーさんとデッドヒートになる。
目標タイムは5時間、現在3時間3分。この状態で20kmを2時間切って戻ってこられるだろうか。
<RUN> 10km × 2周 = 20km
<写真4>ランコース、伊是名地区。この路地の入り口にいた少年が笑えた。まさに今流行の「筋肉芸人」だ。
− 1周目 −
スタートすると、意外に足は軽く感じられた。もちろん既に辛い状態ではあるが。
ランコースはいきなりの長い長い上り坂、無理のないペースで
前の選手を追いかける。依然として腹が苦しいので、最初のうちは給水を避けていく。
伊是名地区へ向う下り坂のラスト、腹の苦しさで集中力がなくなってきたため、一度戻したほうが良いと判断し歩道に上がる。
そして路肩で戻す。完全にスッキリとはいかなかったが、驚くほどラクになった!行ける!
そのすぐ先を右折し、民家の合間の細い路地へ入る。ランコースの中でも最も楽しいポイントだ。
去年は歩くようなスピードだったが、今年はちゃんとジョギングらしい走りが出来ている!
と、沿道に見覚えのある赤い帽子が。71歳・高山選手の奥さんだ。
昨日の説明会で言われた通り、塩分等ミネラル系を積極的に取っていく。去年は塩でひで〜目に遭ったが(笑)
腹の苦しさがあるため水分はなるべく抑えたいところだが、そうはいかない。いぜなの暑さはやはり今年も襲ってきた。
飲む量はできるだけ一口に抑えて、水やアクエリを摂って行く。
コーラはゴール後のお楽しみにとっておく。ASで補給すると、再スタートしたときスッとラクになる。
その先もキツイup/downが繰り返される難コースだが、驚くほど走れている。
サトウキビ畑が両側に広がる平坦な直線道路、昨年はこの直線道路が無限の長さに感じられたが、今年は違う。
もっとペースを上げようと思えば上げられたが(なんぼのモンじゃないが)、2周目を見越して抑えるだけの余裕があった。
しっかり、ゴールを見据えている。その先、発電用の風車のある場所が最後の峠、この先に上りがないことも試走で確認済だ。
1周目のラストで正午の鐘が鳴る。スタートから4時間が経過した。5時間を切るには残り10kmを1時間で走る必要がある。
普段のジョギングなら10km/hではノロ過ぎるスピードだが、果たしてこの疲労&難コースで達成できるのか?
− 2周目 −
周回チェック用の輪ゴムを腕に装着してもらい、2周目へ入る。いきなりの上り坂。
沿道ではおじー、おばーが応援し、商店などでは勝手にASを作って飲み物などを差し出してくれるところも。
「この応援をもらうのも最後」
と思い、声を掛けてくれる島人たちに俺も手を上げて挨拶していく。
伊是名小学校前の交差点を左折、俺の顔が相当歪んでいたのだろうか、誘導スタッフが
「使いますか?」
と冷却スプレーを差し出してくれる。が、辛いのは足の痛みではなく、腹の圧迫感だ。
ASでストレッチをするふりをして歩きながら、腹の圧迫感を少しだけ和らげる(笑)。
更に頭がボーっとしてきた、っていうかむしろこれは眠気?原因は暑さだろうか、それともエネルギー枯渇か。
熱中症で倒れでもしたらいやなので、直後のASでは体中に冷水を念入りにかける。その後もASでは身体、特に頭を冷やすことを心がける。
中学校の先の上り坂を越え、伊是名地区へ向う坂道を下る。前方に足を引きずりながら歩いている選手の姿が。追い抜きざまに、
俺:「頑張りましょうっ!!」
No.4xx:「ありがとうございます!!」
他の選手を励ますことは、むしろ自分を励ます意味合いが強い。
何度か給水をするうちに、再度、腹の圧迫感が増してきた。
1周目と同じポイントで立ち止まり、もう一度戻す。また少しだけラクになる。
右折して狭い路地に入り、筋肉少年とハイタッチ!自らのテンションを上げる。
ASでは塩とレモンを積極的に摂る。そして水とアクエリで口を洗い流し、ガブ飲みしたい欲求を堪えて一口だけ飲み、
最後にスポンジをもらって頭から被りながら再度走り出す。帽子にもしっかり水を含ませてからスポンジを捨てる。
長い上り坂。ばぁちゃんランナーを追い抜く。そして早くも口の中が乾いてくる。結局、毎ASで給水が必要になるのか。
それにしても、前後に選手の姿が全然見えない。かなりバラけているようだ。去年はけっこう連なっていて、続々と抜かされた記憶があったが。
坂を下って勢理客地区、ASが待ち遠しかった。ここでは黒糖ももらう。塩とレモンばかりに拘りすぎて糖質を全然とっていなかった。
その先、長い上り坂。はるか上空に次のASが見えている。見えてるからこそ、歩かずに進もうという気力を保つことができている。
前方を行く選手もASだけを生き甲斐に走っているのだろう、最初は道路の右側を走っていたが、ASのある左側へ移動していく。
ASの手前、オーダー係の女の子に「水」を注文する。とりあえず口の中のヌメリを漱ぎ落とす。
全身に水を被り、顔や首など乾いてる場所がないように念入りに水を塗りたくって、再スタート。
<写真5>長い・・・実に長いっ!コースの設計者を呪いたくなる瞬間。
坂道を下り、畑の中の長い直線道路にさしかかる。残すASもあと1つ、少しだけスピードを上げる(なんぼのモンじゃないが)。
女性選手を1人抜き去る。その先は誰もいない。
直線道路のラスト、S字ぎみのふざけた急斜面をなるべく真直ぐ上り、ASへたどり着く。
最後のENERGY CHARGE、塩とレモンを十分に採り、冷水を2口ほど飲む(一口のつもりだったけど我慢できなかった!)。
そしてスポンジで水を被ってスタート、ラストランだ。
2周目18kmの看板、最後の最後の上り坂。歩いている男性選手を抜きながら励ましの声を掛ける。
前方に水色のユニフォームを着た女性選手の姿が。あと1人、捉えられるか?
風車のところまで上り、あとは下り&フラット。ラストスパートに入る(なんぼのモンじゃないが)。水色の選手もスパートに入った模様、
距離が全く縮まらない。途中、黄色いボンボンを持ったねーちゃんに励まされつつ、ずっと前方の選手を追いかける。ジリジリと近付いてきたか?
諸見地区のゲートをくぐる。フェリーターミナルの赤い屋根が見えてくる。あと一息。
<FINISH> 2km + 66km + 20km = 88km
ランのチェックポイント、2周目が終わった選手は左へ入り、競技場へ向う。
「ハイハイ、完走おめでと〜」
沿道からの声援も労いの言葉に変わる。その先、左にカーブしながら港への坂道を下るが、ここへきて水色の選手を含め前方の4〜5名の集団を捉えた!
全員を抜き去る!競技場入り口、歩道をショートカットしてグランドに入る。大丈夫、フラフラせずにスパートする余力がある。
女性選手を1人抜き、最後のコーナーでNo.501の選手を抜き去り、直線へ。本部席で俺のゼッケンNoが呼ばれているのを聞きながら、
帽子を取って頭上に掲げ、FINISHラインに張られたテープ切る。。。
・・・タオルを受け取る・・・。
ふう・・・終わった。とりあえず気持ち悪い靴下をソッコーで脱ぎ捨てる。それから芝生の中の空いてる場所にタオルを広げ、レース中、我慢に我慢し続けたコーラを強奪しに行く。そしてブレーキが壊れたかのように後先考えずにノンストップでコーラを胃に流し込み続ける。タオルの場所で横になっては飲み、空になったらまたコーラをとりに行き、冷水プールで足を冷やし、またコーラを取りに行き、しばらく横になってまたコーラを・・・ゴール後1時間、それを繰り返した。コーラ・アクエリ・水、飲んだ量は合わせて10杯、2Lをゆうに超えている。
昨年の長い長い地獄の苦しみがウソのような、あっと言うまに終わったレースだった。この違いを生んだ最大の原因は、もちろん風。昨年は向かい風の中バイクで力を振り絞ってしまったため、ランに入って間もなく「リタイヤ」の文字が頭を過ぎった。今年は最後まで、「走ろう」という気力が持った。おかげでラストスパートもして気持ちよくゴールできた。が、欲を言えばランはもっと力を出し切りたかった。やっぱランを一番たくさん練習してるんだから、ねぇ。
<写真6>ゴール後、リタノフと。
<閉会式&ふれあいパーティー>
<写真7>ふれあいパーティー。疲労でほとんど飲み食いできなかった。。。
さて、「第4種目」に進むために、16:30、公民館を出る。俺の隣に布団敷いて寝てたIWAI氏とともに会場へ徒歩で向う。彼はチャリで行くつもりだったようだが、俺が
「しばらくチャリには乗る気にならん」
とワガママを言って徒歩に付き合ってもらう。我々が到着したときはガラガラだったが、まもなく人で埋め尽くされる。まずは前日行われた『キッズドライアスロン』の表彰、続いてメインレースの表彰へ。表彰式が終わるまで夕飯&ビールはお預けだったのだが・・・表彰式長っ!
年代別1位男女それぞれ10代〜70代、沖縄県民1位、「いぜな88」にちなみ88位、20回記念大会にちなみ個人の部20位、リレーの部20位、リレーの部1〜3位、20回連続出場賞、総合女子1〜3位、総合男子1〜3位・・・更にはもう一度、表彰者全員に壇上に上がってもらい、男女総合1位の桑原選手と佐藤選手にインタビュー。ハラヘリマコト。
が、インタビューが始まる直前でフライングして飯をとりに行く輩が現れたため、二度と収拾がつかない事態に発展する。
司会:「選手のみなさん、まだ表彰式が続いています。後少しだけご協力下さい」
・・・ときすでに遅し(笑)
やっとビールにありついて乾杯!!しかし予想通り、ゴール後にアホなほどコーラを飲みまくりしてしまったため、俺はビールも飯もほとんど喉を通らず。ビールをほんの一口飲んで、ジューシーを茶碗に1杯食べて、あとはバナナやミカンを食べていた。それに「戻した」ときに喉を傷めたとでも言うのだろうか、胃?食道?のあたりが痛いし。んなわけでまた腹が苦しくなってしまったのでIWAI氏を残して一足先に公民館へ戻り、横になる。
朝早くから起きて、クタクタになるまで走ったというのに、夜中、全く眠れない。レースの興奮が冷めていないのが原因だろう。やむを得ず夜の伊是名島探検に車で出かける。昼間走ったバイクコースを1周。もちろん車も人もゼロに近く、特に伊是名城から先の山道はさすがにちょっと怖い。伊是名城跡の手前で道路にデカいカニが歩いてるのを見つけて、写真に収める。
シーサー?の展望台のとこで車を降りてみると星が良く見える。ただし月が思い切り出てしまってたので「満天の星空」とはいかなかった。
一回りして、公民館に戻り、床に就いた。
◆3日目:島を去る日◆
朝、朝食を摂ってから最後の島内ドライブに。ランコースとバイクコースをノロノロ走る。島は静けさを取り戻していたが、ASのテントや道路に投げ捨てられたスポンジが所々に見られ、熱闘の余韻が残っていた。伊是名城跡、その先の二見ヶ浦海岸では車を降りて少し散歩してみる。人の気配はゼロ。他の島にはない、何か荘厳な雰囲気を感じる場所だ。ココがバイクコースに含まれていることで面白さが数段アップしてる。
公民館に戻ると、フェリー第1便で帰る選手たちは続々と公民館を後にして行く。ちょっと寂しい。。。残ってる選手だけで集まって公民館の入り口で記念撮影。1人で来るなら公民館に泊まったほうが絶対楽しいな。民宿が取れなくてむしろよかった。
俺は11時の第2便なので、しばらく布団で寛ぐ。その間、隣に寝てるIWAI氏といろいろおしゃべり。IWAI氏の話では、「高額なバイクにはそれだけの効果がある」とのこと。バイクは特に「軽さ」が重要であると。ちょっと考えたら当たり前のことだった。外力ゼロなら一旦スピードに乗れば質量は関係なくなるが、現実は違う。走れば当然空気抵抗を受ける。上り坂では重力を受ける。速度を維持するためにはこれらの外力を打ち消すだけの加速度mx''を常に与え続ける必要があるのだ。すなわち、質量が直に且つ常に効いてくる。高校レベルの物理やね。
ちなみにIWAI氏のチャリは50万円(!)だそう。俺のは一応ロードレーサーだけど、ヤフオクで在庫処分4万2千円(送料込み)で買ったアウトレット品。今大会の出場者の中で最安値の自信有り。
さて、フェリーの時間が近付いたため港へ向う。フェリーターミナルで土産買ったりして時間を潰していると、男子70代1位の高山選手の姿が。尊敬する選手にお願いして一緒に写真に入っていただく。港には、多くの島人が見送りに来てくれて、フェリー出航の瞬間までカラーテープを投げたり、エイサーを踊ったり、最後には少年数名が海に飛び込んで(お約束)トライアスリートたちとの別れを惜しんでくれる。
来てよかった。ほんとうに、ありがとう。
<写真>ターミナルにて。向って左から、俺・高山選手・IWAI氏。40年後、俺は伊是名を走っているだろうか?
<写真>フェリー出航間際、島人たちの見送りに思わず涙が出そうになる。来年も、必ず帰って来ようぞ。
<リザルト>
| SWIM | : |
'38''19 |
(124位) |
| BIKE | : |
2'23''43 |
(323位) |
| RUN | : |
2'11''55 |
(262位) |
| TOTAL | : |
5'13'57 |
(253位/500人くらい?) |
去年はあまりに過酷なレースに、翌年出場することを躊躇わざるを得なかった。もう一度、あの地獄を乗り越えろと言われても二度と無理だと思えたからだ。だが、今年は違う。ハッキリ言える。
「来年も、必ず出場する」と。
|