19th いぜな88トライアスロン
2006年10月29日(日)
走行距離SWIM:2km
BIKE:66km
RUN:20km
総合タイム5時間38分10秒
天気/気温/風 /27℃/北北西の風10m

◆ことの始まり◆


<写真>今ここにBeast 現る!

<6月>
ふみ♂「よし、ゾンさん一緒に伊是名出ましょうか!」
ゾン 「やりましょうっ!!」
ふみ♂は素潜りサークルの仲間であり、サークル1のスポーツマンである。一緒に出場する仲間、しかも出場経験者ということで非常に心強くなる。
<7月>
ゾン 「もう申し込みしました?」
ふみ♂「いま妻に交渉中です」
彼の妻は鬼嫁である。門限を1分でも過ぎると1時間の正座が待っているという。出場料¥20,000+2泊3日の外出の許可を取り付けるのは絶望的と思われる。
<8月>
ふみ♂「すみません、妻の許可が下りなくて・・・」
ゾン 「あはは、まぁしょうがないっすね」

結局ふみ♂は申し込みをしなかった。 で、一人で行くのも寂しいので彼女を付き合わせることに。観光も兼ねて2人でのんびり島へ行くのもいいかな、と思い始めていた矢先、素潜りサークルの掲示板にとんでもない書き込みが・・・!!

<9月>
ふみ♂「10月29日、伊是名島へ行くので一緒に来てくれる人募集します。ゾン、裏切ってごめんよ〜。」@掲示板
ゾン (どうゆうつもりだうぉいっ!??)
ちなみにこの時点では付き合ってることを知っているサークルメンバーはふみ♂だけだった。しかも彼には口止めしてあったのに・・・!!でも応援も兼ねて島へ来てくれるというのだから、感謝感謝!

<10月>
ふみ♂「結局10月29日は県外出張で伊是名へは行けなくなりました」
ゾン 「ゴルァァァァァァァァァァァァァァァっ!!

もぉ〜!3回裏切られた気分だぜ!!まぁ彼から誘いがある前から、一人ででも出場するつもりだったんだけどね。
ネットで破格のロードレーサーとトゥークリップを購入。獣の顔の絵がついた超カッコいいチャリダースーツは熾烈を極めたヤフオクバトルで勝ち取り、オークション初陣を飾った。メットはヤフオク最終日にチェック忘れたためにゲットできず、DEPOで一番安いのを買う。が、結構気に入ったので結果オーライ。ジャージのイメージに合わせて真っ赤なやつにした。


◆1日目:島へ渡る日◆


<写真>島の小学生たちによるエイサーでお出迎え。ちょいと圧倒される・・・。

自転車を車に積み込み、高速で名護まで行く。運天港に到着。7月に伊平屋島へ行って以来だ。だが、あのときとは明らかに雰囲気が違う。トライアスロンに出場する厳つい男ども(女性選手もいたけどね)が群がっており、異様な雰囲気を醸し出していた。フェリーには「トライアスリート御一行様」の横断幕が掲げられてるし。

出航してから僅か50分で伊是名島へ到着。フェリーが港に入港すると、いきなりの大歓迎を受ける、
「選手のみなさ〜ん、おかえりなさ〜い!!」
のアナウンスとともに、島の小学生たちによるエイサー<写真>。この時点で既に感動してしまった。港の真横にあるふれあい体育館にて選手登録を済ませ、車で伊是名地区へ移動。



宿泊先の民宿「ふくや」は、スタート地点である伊是名ビーチまで徒歩1分の場所。彼女を宿に放置し、俺は1人、BIKEコースとRUNコースを自転車で下見するため出発する。BIKEは島の外周道路13.5kmを時計回りに約5週。RUNは島の内回りの道路10kmを2周。下見ではそれぞれ1周づつ走る。まずはBIKEコースである外周を1周。ときおり俺と同じように何人か自転車で走っている選手を見かける。内花地区ですれ違ったおばーに、
「1番取れよぉ!」
と応援され、また感動する。島の北東端で、少し海を眺める。遠くに見えるのは伊平屋島である。そこから南に折れ曲がり、緩やかな上り坂が続き、その後は畑の中を走る。そして一気に下って仲田港へ。仲田港まで戻ると、チャリで試走している選手が何人もいた。ここで一旦BIKEコースを外れ、RUNコースへ。こちらはup/downのあるなかなか厳しいコース。途中には部落の中の車一台も通れないほどの路地を走るとこも。こんなとこがコースになってるなんて・・・走るのが超楽しみだ!!
勢理客地区を走っていると小学生数名のグループに「頑張って下さ〜い!」と声を掛けられた。その部落を抜けて左折すると、路肩に太くて白い木があり、そこから山を登る坂道が続いているのが見える。この景色は綺麗だ。その坂の途中、地面にチョークで文字が書かれていた。
「あと少しファイト!」「○○さん、がんばれ」「完走!」
地元の子供たちが書いたものだろう。これにもまた感動してしまう。



その長い上り坂を越え、下ると長〜い直線、女性選手が試走しており、追い抜きざまに挨拶。その先は急勾配を登り右折。発電用の風車の横を通り、ひたすら進むと仲田港へ戻る。
そしてBIKEコースへ復帰。伊是名城跡の前を通り過ぎると一気に道が細くなり、海岸沿いの崖っぷちを走る道路に。若干のup/downもある。が、走るには面白い道だろう。途中、海を見下ろす展望台で休憩。そこから先は「追い越し禁止区間」道が細く急な下り、且つ急カーブが連続する区間だ。距離は僅か数百m。そこを下り切ると、伊是名地区に帰り着く。チャリに乗った女の子3人組の姿が。どっかの大学のトライアスロン部だろうか? それとは別に同じユニフォームを着た学生風の男性2人の姿も。明らかに俺とはレベルが違うと思われる選手たちだ。

宿へ戻ると彼女は爆睡中。一休みして、2人で周辺を散歩しに行く。と、その前に、スタート地点兼SWIMコースの下見に。伊是名ビーチへ行くと何名かの選手がSWIMコースを試泳していた。


<写真>スイム会場となる伊是名ビーチにて。

伊是名の部落を歩くと、沖縄独特の家屋に石垣が目に付く。本島ではなかなか見られないものだ。また沖縄の文化を保存する活動をしているNPOによって復元中の、沖縄の古い民家があった。人気はないが「立ち入り自由」の立て札があったので、遠慮なく見学させてもらう。将来、こんな家に住んでみたいねぇ。
更には明らかに空き家と思われる家屋に不法侵入して縁側で日向ぼっこしたり。「時間がゆったり流れている」とはよく言ったものだ。都会とは別世界、同じ日本とは到底考えられない。


<写真>ンなことしてて石垣壊すなよ!(笑)

<写真>空き家となっている古民家に勝手に入って寝る。

説明会へ行くため、再度車で体育館へ向う。途中、夕飯&朝飯を買うため、JAへ立ち寄る。どうやら翌日は大会のため島の商店はほとんど休みになる模様。ヘタすると飯にありつけない可能性もあるため、ここで買い込みをしていく。スポーツ飲料のスペースを覘いたら、ヴァームが全て売り切れていて笑えた。
体育館での競技説明会では、トライアスリートなら誰もが知っている千葉智雄・ちはるさん夫妻が登場してコースの説明を行った。沖縄を拠点に活躍しているトライアスロンチーム「teamゴーヤー」の監督・コーチです!


◆2日目:島を巡りに巡った日◆

朝5時に起き、宿の周りを軽くジョギング。スタート地点とTransition 1の偵察に行く。スタート地点の伊是名ビーチは宿から徒歩1分。まばらだが大会関係者の姿が見える。軽く身体が温まったところで部屋に戻る。やはり少し緊張してきた。
7時の最終受付の開始時刻になったら、すぐにビーチで受付を済ます。問診表に記入し、ボランティアの中学生に両腕にNo."353"を黒マジックで書いてもらう。そして計測バンドを右足に巻いたのを係りに確認してもらって受け付け終了。Transition 2 へ持っていってもらう荷物を袋に入れて、自分の番号が書かれたBOXへ入れる。Transition 1へは自転車と、着替えやヘルメットの入った袋を設置。自転車には周回確認のためのカラーテープを張っておく。テープを5枚張っておき、一周終わるごとにテープを一枚ずつ取っていけば周回カウントミスを防げる、ってわけだ。これで準備完了!
ほとんどの選手がウェットスーツを着ている。水着一丁なのは俺を含めて数えるほどだ。北風が強かったので、身体が冷えぬよう直前まで上半身はジャージを着ていた。「入水チェック」の時間が与えられたが、このとき俺は誤ってSWIM STARTのゲートをくぐってしまったため、場外に出ることができなくなってしまった。仕方なく、スタートゾーンで身体に水を掛ける程度で、またジャージを羽織る。
スタート位置は後ろ気味に陣取る。なんたって初トライだし、それほど自信があるわけでもなかったし。
選手がスタート地点に集合したところで開会式が行われた。
9:00、スタートの号砲がカウントダウンより僅かにフライングして高らかに鳴り響いた!!

<写真>トライアスロン、スタート。

<SWIM> 1km × 2周 = 2km


<写真>スイム1周目終了の場面。彼女曰く「全然余裕そうだった」とのこと。少なくともこの時点では。。。

− 1周目 −
スタート直後は「イモ洗い」なんて生易しいものではない、まさにバトル!!殴る・蹴る・必殺エルボー・ショルダーアタック・真空空手チョップ・水中飛び膝蹴り・殺人ヘッドバット、当たり前(まぁ意図的じゃないけどね)。周りの選手を押しのけて前へ進む。やっと身体が慣れてきたかな?ってとこで左に大きくカーブし始めた。もうコーナーか?と同時に急激に流れが強くなって、進みが遅くなる。カーブしているので方向感覚が分らず、他の選手の進路を妨害してしまうこともしばしば。ロープ沿いの奴!まっすぐ泳ぎたまえ!!呼吸の度に周囲の景色をチラ見して、位置を確認。だんだん陸地が近付いてくる。急激に水深が浅くなり始めた。もう1周終わりか?意外なほどラクチンだ。よく言われているように「浮力が大きいからラク」なんだろうか?むしろ前を行く選手が邪魔で、もっとどんどん先へ進みたいほどだった。 一旦砂浜に上がり、10mほど小走りに走って再度入水。


<写真>スイム2km終了。なんかアホみたいなポーズ。

− 2周目 −
淡々と入水し、泳ぎ始める。幸い寒さはないようだ。涼しくなったとはいえさすが沖縄、海パン1丁でもまだまだイケる。スタート直後にくらべるとだいぶバラけてきたが、それでも他の選手に進路を塞がれることはしばしば。2周目の途中からずっと同じ選手と併泳することになる。相手も明らかに俺を意識して張り合ってるっぽい。が、終盤で俺が引き離した!そして自分のいた集団を抜け出し前を行く集団が見え始めた。SWIMは1番練習量が少なかったし、2km以上を泳ぐのは10年前の遠泳以来だったので不安だったのだが、やはり経験ってのは強いんだねぇ。
急激に水深が浅くなり始めた。SWIM FINISHが近い。掻きの力を強め、ペースも上げる。どうせ上半身の力使うのはSWIMだけだから、全力出し切ってもOKっしょ。前の集団に突っ込むカタチでビーチへEXIT。




- Transit 1 -


<写真>どうやって着替えようか?と考えた末の海パン二枚履き。

歓声の中、砂浜を駆け上がりシャワーをくぐり、Transition エリアへ向う。まだ、BIKEがかなりの台数置かれていた。そこそこの順位で来たっぽいぜ。
「途中で流れが強くなって大変でしたねぇ〜」
隣の選手とノンキな会話を交わす。彼女が俺の生着替え写真を盗撮していることにも気づかずに。お気に入りのジャージを着て、ゴーグルは単なるファッションなので首に掛け、ヘルメットを冠り、チャリを引いてBIKE STARTへ向う。

彼女:「よし、行ってこ〜い!!」
この声でBIKE 66kmがスタート。

<BIKE> 13.5km × 約5周 = 66km

− 1周目 −
走り始めた直後の感想:「トライアスロンって面白れぇ〜!!」。自転車のレースは初めてだったこともあり相当胸が高鳴っていた。
走り始めて間もなく、つま先と舌が痺れ始める。寒さもあったのだろうが、早くもエネルギー枯渇状態か?ポケットに忍ばせていた飴玉を一個口に入れる。
コースが北上し始めると急激に向かい風が強くなる。アップダウンも多く、いきなりの難所だ。最初の頃、同じじーさんチャリダーを何度か見かけデッドヒートになる。上り坂で俺が追い抜き、平地になると追い抜かれ・・・。まぁ俺は全然実力はないが、それでも年齢的に体力のピークにある俺とあの齢で張り合えるって、凄すぎる。島の北東で南に折り返すと、ひとまず向かい風はおさまる。上り坂ではあるが、向かい風よりは楽に感じられた。最初のエイドステーション(以下AS)はパス。給水過多になるのを避けようという試み。そして仲田港手前、最初のチェックポイントを通過。


<写真>ちょうど島を1周して伊是名地区へ戻ってきたとこ。

− 2周目 −
仲田地区を走行、応援が1番多い地点だ。港を過ぎると一気に道が細くなる。伊是名城跡を通り、海沿いの山道へ。up/downもあるが、まだまだコースを楽しむ余裕がある。この山道のラストは下り坂&カーブの連続があるため、「追い越し禁止区間」。ここを下りきり、平地に出たところでチェーンが外れる!直すため停車するが、下りるとき焦って左足がトゥークリップから外れず、道路左脇のガードレールに激突する。このチャリ、前輪を2速→1速へ落とす際にチェーンが外れやすいことは知っていたが、ここで来るとは。チェーンを掛けなおす際も焦ってしまい、一度直したハズがまた外れてしまう。気を取り直して伊是名地区のメインストリートを激走!ASはパス。宿の近くで彼女がカメラを構えていたのでピースサインをかざして走り抜ける!ピンクのシャツは遠くからでも目立つのでGOOD!!

次第に選手がバラけてきた。このあたりでしばらく併走していた奴はグラサンかけてて顔はわからないが、中学のときの同級生とそっくりな感じだった。ふくらはぎの筋肉が隆々とした奴だったが、それでも上り坂では俺が追い抜く場面も。俺も負けちゃいないぜ!

北東のASで初給水。AS入り口手前に立っているボランティアの小学生に注文を突きつける。
俺:「みず〜〜〜っ!!!」
小学生:「水!」
と、伝言ゲームのようにASへ伝達される。速度を十分落として水をキャッチ。お礼を言って水を飲み干す。普通なら甘いものが欲しくなるところだが、ずっと飴を舐めていたことと、沖縄の暑さで喉がカラカラ。何より冷たい水が欲しかった。 この先は若干下りになり向かい風も止むので、カッコよく駆け抜けられるポイント。


<写真>島の北部、内花地区。風速10mを超えるコンディションが初心者の俺にはキビシ過ぎる。。

<写真>島の東側から南下。その後、新しい道ができてこの道はコースから外れた。


<写真>島の東部にして中心地、港もある仲田地区。

<写真>仲田地区 → 伊是名地区への山っぽいとこ。パワースポットらしい。

− 3周目 −
チェックポイントを過ぎ、伊是名城跡付近、若干ラクになる地点で後ろから来た女性選手に話しかけられる;
女:「キツイよね〜」
俺:「キツイね〜。あの北側の向かい風、やめて欲しいよね」
彼女は手放し運転で腰を伸ばしていたので、俺も真似して腰を伸ばす。伊是名地区メインストリート、再度、彼女がカメラを構えていたので今度はピースもせずに駆け抜ける。上り坂&向かい風のダブルパンチはしんどい!!周りの選手もノロノロ運転になったり、立ち漕ぎをしたりしている。キツいのは俺だけじゃないんだ。
抜かされることが多くなってきたが・・・ペースがオニのように速いのは明らかに周回リードしてる選手。北側のASで再度、水をもらう。 次第に辛くなってきた。


− 4周目 −
この周を終わったら、残りあと一周・・・そんなことを考えながら苦しさと戦う。伊是名地区、メインストリートは向かい風が少しおさまるので気持ちよく走れる!が、彼女がいない?GOAL地点へ移動中なのか、それとも暑さで倒れて宿で寝てんだか?
途中、前後に選手が1人も視界に入らない場面がシバシバ。BIKEに入ってからだいぶ抜かされたっぽいから、もしかしてビリを走ってるんじゃないかと不安になる。そんなわきゃないんだけどね。脚の疲労も溜まりつつあり、下り坂ではペダルを漕がずに休むようになる。


− 5周目 −
4度目のチェックポイント通過、あと1周だ。
伊是名地区メインストリート、やはり彼女の姿はない。このポイントを過ぎると急に向かい風が強くなり、そこから約半周は向かい風に加えup/downとの戦いになる。「BIKE FINISHまで、あと上り坂が何箇所で・・・」と頭の中で逆算が始まる。この時点で負けている俺。
ヘルメットのアゴ紐がきつすぎてストレスになっていたので、一旦路肩に止まってBIKEを降り、ヘルメットを冠り直す。 その間、1人にも抜かされなかった。かなりバラけてる模様。
最後のASはスルー。 計測ポイント直前の右カーブ、右のペダルが地面を擦る。スピードが出てなかったから怖くはなかったが、ちょっとレーサーっぽい雰囲気を感じることができた。最後のチェックポイントの直線は高速ギアに入れて奮起。でもヘロヘロ。やっとBIKE FINISHだ・・・。


- Transit 2 -


<写真>やっとこBIKEパート終了。RUN 20kmか。。。

<写真>RUNスタート前にエイドで長々と飲み食い。

あまりの疲労に、彼女がBIKE FINISH手前で写真を撮っていてくれたことにすら気づかなかった。降車ラインでチャリを下りて、押して歩く。自分の番号のバイクブースを見つけ、Transition袋を開けようとすると、彼女が
彼女:「こっちこっち」
と声を掛けてきた。危うく別の人の袋を開けそうになっていた。彼女は他の選手の彼女に車で宿 → 会場まで運んでもらったとのこと。
俺:「4周目、5周目がキツかった。ヤバイ(笑)」
彼女:「何言ってんの〜これからだよ〜!!」
この声でRUN 20kmがスタート。

<RUN> 10km × 2周 = 20km

"RUN START"のゲートのすぐ横にASが。半コ割りミカンを2個食べ、アクエリアスも飲む。トイレに行こうか迷ったが、そのまま出発!!
・・・って既に脚が動かないんですけど(笑)この状態でホンマに20km走れってか??

− 1周目 −
それでも最初は自転車のキツイ乗車姿勢から解放され気持ちよかった。他の選手を次々と抜いていく。俺はフルの経験もあるしね、やっぱコレが一番得意かも。
しかしRUNコースはキツイup/downの連続!まともに走ることはできない。すぐに「諦め」の感情が頭をよぎる。が、死んでもリタイアするわけにはいかない。
勢理客地区の手前、木立の中の小道に入り、立小便を済ます。


<写真>RUNコース、伊是名地区。最も伊是名島っぽい区間。

<写真>ちょっとした上りを越えて勢理客地区へ。しばらく平坦だが、暑さがキツく、既にヘロヘロ。

周回リードの選手にも何度も抜かれていく。ああやっていつも通り思い切り走れたら気持ちいいだろうな。勢理客地区のASでシャワーを浴びる。暑さが次第にきつくなってきた。熱中症か何かでぶっ倒れなきゃいいが。左折し、白い木のあるとこを過ぎると長い長い上り坂が始まる。暑い。山の上のタンクのあるところまで、フラフラしながら登る。恐ろしくノロいペースだが、周囲の選手も同じようなペースだ。峠にASがあり、その後は下りとなるのでしばし休める。が、暑い。下りが終わると、左右にサトウキビ畑が広がる長い長い直線道路。遠くに発電用の巨大な白い風車が見えるが、あそこまで行くんだよな。遠い。


<写真>島の北部、長い長いサトウキビ畑の直線。

<写真>1周回って仲田地区へ戻ってくる。

直線の終わりは急な上り坂。もう歩くようなスピードだ。登り切って右折するとこにAS。レモンを砂糖につけて食べる。くぅ〜美味いぜ!これはイケる。水を含ませたスポンジももらい暑さを凌ぐ。その先もしばらくは上り坂が続く。コースの右に寄り、日陰を走るように心がける。
仲田地区の手前、商店のおばーが自主的ボランティアで飲み物を差し出してくれていたので、ありがたく頂く。こんなの島人との触合いもこの大会ならではじゃないかな。チェックポイントでは、1周目終了の目印となる輪ゴムを腕に付けてもらう。暑さを凌ぐため頭にスポンジを乗せて走ってると、前方で彼女がカメラを構えていた。なんとか笑顔を作ってみせる。あと1周、これでホントに最後だ。

− 2周目 −


<写真>ラン1周・10km終了の場面。彼女曰く「壊れかけたゼンマイ仕掛けの人形」だったとのこと。あと1周!

2周目もいきなりのup/downから始まる。長い上り坂、外人の金髪ねーちゃんが歩いている。その横を歩くようなスピードで俺が抜いていく。もう歩いても走っても同じスピードだ。走ってる分、むしろ無駄に疲れてる気がする。でも、俺は死んでも歩くわけには行かない。
下り坂に入る。と、さっきの金髪ねーちゃんが走って俺を抜いていく!セコイぜ!!

勢理客のAS。レモンがあったのでまた砂糖をつけて口に入れる。
・・・
・・
って何じゃこりゃ?砂糖じゃなくて塩じゃん!?そういや梅干といっしょに置いてあるし。もう一つの皿が砂糖だったか。レモンをもう一つとり、砂糖をつけて口に入れる。・・・ってこっちも塩じゃんか!?アクエリアス2杯で口の塩を濯いで出発。シャワーの一番勢いのあるところを通過していく。

その後の長い上り坂、卒倒寸前・停止寸前の勢いで上り切る。頂上の給水所で水を飲み、頭から氷水を被る。その先は下り坂、多少は体力を回復できるかと思いきや、今度はさとうきび畑の長い長い直線道路が果てしなく広がり、あっさりと絶望のドン底に突き落とされる・・・。

日本の外れにある沖縄の、そのまた外れにある小さな小さな島で行われるトライアスロン。大したことない大会だろうと思っていた。距離も、各種目それぞれ単品で見れば死ぬほど長いというわけでもない。水泳経験あり、チャリダー経験あり、フルマラソン経験もある俺にとっては、さして問題のないものだと思っていた。しかし・・・しかし3つが1つになったとき、これほどまで過酷なものになろうとは・・・。ナメていた。ナメ過ぎていた。すいませんでした。何度「リタイア」の文字が頭をよぎったことか。が、こんな遠くまで彼女を連れて来た以上、ゴールしなければ。

ラスト1〜2kmの地点から先は緩やかに下っていることもあり、最後の力を振り絞ってペースを上げる。これまで抜かれる一方だったが、ここへきて前を行く選手を何人か捕らえていく。それでも情けないペースだが。
港の赤い屋根が見えてきた。ついに戻ってきた・・・。大会本部のアナウンスと喧騒が聞こえ始める。港前の坂道を下り、左折、トラック入り口で小学生3人が手をかざしていたので通りすがりにハイタッチしていく。



<FINISH> 2km + 66km + 20km = 88km

「あと300mです!!」
トラック入り口でボランティアに声を掛けられた。トラックに入った直後、彼女が写真を撮ってくれていた。そして俺と併走するつもりだったようだが、俺が予想外に速かったようで、併走を諦めFINISH地点へ先回りしようと猛ダッシュしていくのが横目に見えた。トラックに沿ってズラリと並んだ小学生たちとハイタッチしながらGOALへ向う。コーナーを曲がり、ラストの直線、1人の選手を抜く。ボランティアのコが俺のためにゴールテープを張ってくれる。両手を挙げて、ついに・・・ついにGOAL!!!




<写真>ゴール目前。俺も後ろの選手もよろけているように見える。



ふらふらと歩いて、テープの先で待っていてくれた彼女の腕に無心のまま倒れこんだ。

88km・・・言われてみれば結構な距離なんだよなぁ。
SWIMに加えてBIKEとRUN合わせて伊是名島を約7周、TOTAL TIME 5'38''10。
ボランティアの中学生がタオルを渡してくれる。偶然にも、朝の受付のとき俺の両腕にNo."353"を書いてくれたコだった。そのNoも今や消えかけている。この時、俺は目の焦点が合わないほど限界に達していた。GOAL直後、記憶にあるのは彼女とこのボランティアのコの顔だけ。周囲がどんな様子だったか覚えていない。記念品の泡盛を彼女が代わりに受け取ってくれていたことも、だいぶ後になってから知ることになる。
トラック内の芝生に入る。とにかく座りたい。そしてそのまま仰向けに大の字になった。ならざるを得ないほど、身体には力が一滴も残っていなかった。


<写真>ゴール直後、完全死亡状態。ピクリとも動けない。Beastも頭をカチ割られて死亡(笑)

<写真>島の小学校の先生が子供達と一緒にゴール。「苦しくても最後までやり切ることの大切さ」を身をもって教える。何物にも勝る教育ですな。

そして大量に失われた水分を身体にぶち込む。
一杯目。彼女:「飲み物、何がいい?」 俺:「コーラ」
二杯目。彼女:「もう一杯飲む?」 俺:「コーラ」
三杯目。彼女:「まだ飲む?」 俺:「コーラ」
四杯目。彼女:「・・・?はいはい、またね。コーラ?」 俺:「じゃアクエリアスで」
五杯目。彼女:「移動しよっか。飲む?」 俺:「コーラ」
俺の暴飲暴食は止まらない。この後もコーラ1杯、水2杯、ミカン2個を食べた。でも全然トイレに行きたくはならず。完全に吸収してしまったっぽい。

その後はだいぶ長い間、芝生に寝転んだまま、ゴールしてくる選手を観戦。ラストのストレートで感極まって大泣きしながらFINISHした長身の外国人選手。何十人もの生徒に付き添われてゴールした島の小学校の先生。車椅子の奥さんと一緒にゴールテープを切った70歳の選手。ちなみにこの70歳の選手のゴールシーンは見られなかった。
何故かって?この70歳の選手、俺より速かったんだよぉ!!!!!
俺はトライアスロンは初だったけど、こんな大会、なかなかないんじゃないかな。

彼女を会場まで送ってくれたカップルの女性が、親切にも帰り際に声を掛けて、車に乗せてくれた。チャリ2台は乗せられないので俺のチャリはT2に放置して、とりあえず宿へ向う。出場した彼氏はタイム6時間、年齢も俺と1歳違いだったからほぼ同レベルやね。この彼、RUN 2周目の某ASで死にそうになって休憩してるとき、近くで見ていたおばーに「諦めれ」と言われたそうだ。この島の大会だからこそ許される応援(?)かもね。ちなみに車を運転してくれたのは女性のほうだったのだが・・・無免許非常に我流な運転でした。

宿に戻り、シャワー浴びて超サッパリ!お茶と朝のヴァームの残りを飲み干して、一休みした後、ペーパードライバーな彼女に運転(注:MT車)を頼み、再度、体育館へ向う。




<写真>レース後に仲田地区の体育館でふれあいパーティー。

<閉会式&ふれあいパーティー>

帰りは彼女が運転してくれると言うから、お言葉に甘えて飲む気マンマンで出向く。放置したチャリは体育館の中に撤収されていたので、先ずは回収して車に積み込む。体育館は既に満席状態。前のほうに空きスペースを見つけて陣取り、ビールを口に・・・
あぁ、この瞬間のために俺は走っていると言っても過言ではない(笑)ただ、ゴール後にジュースを飲み過ぎたため、やる気に反してあまり酒は飲めなかった。メシもそここそこ。缶ビール1本と、泡盛カクテル1杯だけだった。
俺も彼女もお疲れ気味だったので、お開きの時間まで待たずに宿へ戻り、ノンビリ過ごしました。


◆3日目:島を去る日◆

若干の脚の痛みはあるが、歩けないほどではない。フルマラソン翌日に比べれば楽なもんである。ほとんどの泊り客は朝9:00のフェリーで帰るため、宿はすでに俺たち以外客はおらず、閑散としていた。
車で島一周のドライブに。彼女はまだ島内を動き回っていないし、俺も先日の余韻に浸りたいし。
自転車のコースを行く。まだ大会の後片付けもされておらず、そこかしこに紙コップやら、スポンジやらが放置されていた。内花公園にある龍の顔をかたどったナゾの展望台に昇ってみる。なんか作り途中で金が底をついて放置されてる感がある。天気がイマイチだったが、周囲を一望できた。
島の北東端近く、道端のフェンスの向こうに羊の家族が放し飼いにされていた。草が生えてなく、飢えてるっぽい感じ。最初は警戒していたが、近くの雑草をあげるとすぐに群がってきた。振り返ると大きな角を持つ山羊が背後に1匹。
仲田港に着くと、ちょうど9:00のフェリーが出航するところだった。色とりどりの紙テープが靡いている。フェリーが岸壁から離れると、離島お約束、餞別に豪快なダイヴを披露するバカ勇者が数名。


<写真>道路っ端に羊の群れ。

<写真>朝のフェリー見送り。最後の最後まで大盛り上がりの大会。

伊是名城跡は大したことなさそうだったので公園入り口から眺めただけだったが、石段の上で飼い犬の写真を撮っている選手らしき女性の姿が1人。
その先の山道コース、途中の龍神洞に立ち寄る。鍾乳洞マニアの彼女が喜ぶかと思ったのだが・・・洞窟というよりほら穴程度の祠があっただけだった。しかも巨岩が崩れて他の岩につっかえて止まったような状態であり、 今にも崩れてきそうで恐ろしかった。
その先にある展望台。この下のビーチはプライベート風であり、リーフエッジもさほど遠くなさそうだったので、潜るには良いかも。

宿に戻って荷物をまとめる。宿泊代を払おうと食堂に行ってみるが、おばーがおらず。食堂にて待つがいつまで経っても帰ってこない。テーブルの上に出しっぱなしになっていたミカンや煎餅、ポテチの残りを勝手に食べ(よく考えたらとんでもねぇことしてるな・・・・)帰りを待つが、一向に戻る気配がないため、仕方なく宿泊代¥2,500×2日×2人=¥10,000と書置きを食堂のテーブルの上に残して立ち去った。

港の食堂で昼食をとり、フェリーに乗り込む。カラーテープを持っての出航。風が強くてテープを投げてもすぐにちぎれてしまって、最初は全滅かと思ったが、次第に本数が増えて、最終的には絡まって網が編みあがってしまいました。そして、出航。ターミナルと島人たちが遠ざかっていく行く。

さようなら、伊是名島。またいつか、必ず戻ってくるよ。


<最終結果>

SWIM'39''16(81位)
BIKE2'42''37 (256位)
RUN2'16''17(200位)
TOTAL5'38''10 (200位/350人くらい?)




スイムはほとんど練習してないにもかかわらず速いほう。バイクは競技経験ゼロ(今回が全くの初)で、どの程度のペースでどれくらい走れるのか全く分かっておらず全然ダメ。風が強かったこともあり、バイクフィニッシュ時点でヘロヘロ。ランは区間順位が総合順位と同じだったので標準的・・・と。分かりやすい。スイムは一応水泳部だったし、水泳は特に筋力よりもフォームの影響が大きい。ってことで練習してなくて筋力が落ちていてもスピードはそれほど落ちがない。ランは自信あるつもりだったが、その前のバイクで死亡寸前にまで追い込まれていたので、全く走れず。となると、トライアスロンではバイクがキーになるってことか?バイク区間が一番長いし、バイクが苦手だと、バイクが遅いだけじゃなくランも遅くなっちゃうから。


しかしキツかった。初めてフルマラソン走ったとき以上の強烈なインパクトを受けた。トライアスロンって、こんなにもキツいものだったのね。この大会じゃなかったら(=楽しさや感動がなかったら)もう2度とやらなかったかも。初めて出た大会が伊是名でヨカッタ。


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