膠原病ってどんな病気??
膠原病=『こうげんびょう』と読みます。
『こうざんびょう(高山病)』ではありません。間違える人、多いです。
膠原病は
「自分の身体を攻撃する免疫を自ら作ってしまう」という、免疫の病気です。全身の細胞や内臓等が自分の免疫に攻撃されて、次第にボロボロになっていき、最終的には死に至ります。膠原病というのはこのような病気の総称で、実際には何種類かに細分化されています(次項で説明)。
免疫というのは、一度作られると同じものをずっと作り続けます。おたふく風邪など「一度かかると二度とかからない病気」というのがありますが、これは1度目でその病気に対する免疫が作られ、その免疫を生涯作り続けるため、次に同じ病原体が入ってきてもすぐにやっつけてしまうためです。これは本来なら嬉しい機能なのですが、膠原病の悪い免疫をも永久に作りつづけてしまう、というやっかいなことが起こります。つまり、この病気は一度かかってしまうと治らないってことです。
ちなみに、免疫が攻撃する対象物のことを「抗原」と言います。膠原病の「膠原」とは別です。
膠原病の「膠原」とは、細胞の間の組織のことらしいです。
◆膠原病の種類
本から抜粋。膠原病と一口に言ってもそれぞれの病気は多種多様、同じ病気とは言えない。また、表から分かる通り、女性の患者が多いのが特徴である。俺が患っている「結節性動脈周囲炎」のみ、
男女比の差が見られない。
| 病名 | 慢性間接リウマチ | 全身性エリテマトーデス |
皮膚筋炎 | 強皮症 | シェーグレン症候群 |
混合性結合組織病 | 結節性動脈周囲炎 |
| 日本での患者数 | 50万人以上 | 43000人 | 合わせて22000人 | 17000人 | 2000人 | 2000人 |
| 女性比 | 75% | 90% | 60% | 60% | 90% | 90% | 50% |
| 年齢層 | 30〜50歳 | 20〜30歳 | 10〜50歳 | 30〜50歳 | 40〜60歳 | 20〜30歳 | 年齢差なし |
| 症状 | 発熱 | | ○ | | | | | ○ |
| 間接痛 | ○ | ○ | | | ○ | ○ | |
| 筋肉痛 | | | ○ | | | | ○ |
| 紫斑 | | | | | | | ○ |
| 紅斑 | | ○ | ○ | | | | |
レイノー 現象 | | ○ | ○ | ○ | | ○ | |
| その他 | 間接の腫れ、 こわばり | | 筋力低下 | 皮膚のこわばり | 口の渇き | 指先のこわばり | |
◆症状(結節性動脈周囲炎の場合)
風邪などで熱が出るのは、免疫抗体がウィルスなどを攻撃する際に発熱します。
膠原病は、攻撃の対象が元々体内に持っている細胞?組織?
なので、つねに攻撃し続けることになります。その結果、発熱・炎症等、風邪と同じ症状が永久に続く、ということが起こります。
更に症状が進行すると、腎臓などの臓器にまで炎症が広がり出血などが起こり、最後には脳や肺の血管から出血し死亡します。
以下、俺が患っている「結節性動脈周囲炎」の症状を、体験をもとに挙げていきます。
自覚症状
| 発熱 |
最初はほんの微熱。「ん?風邪・・・なのかな?」程度にしか
感じない。違うところは、いつまでたっても回復せず、何日も何日も
続くこと。そのうち38℃以上の発熱が続くようになる。普通の風邪薬を飲んでも
一向に下がる気配がない。 |
| 体の痛み |
筋肉痛のような痛み。首筋、太腿、腹筋など、筋肉のついている
個所の痛みが顕著。それも次第に筋肉痛とは変わってくる。これにより、ただの風邪ではない
と気づく。その他、手首、足首などの間接部にも痛みが出る。 |
| 血管に「グリグリ」 |
血管の所々に直径1cm程度の「グリグリ」ができ、強く押すとちょっと痛い。
本によるとこのグリグリは「動脈瘤」と言うらしい。
|
| 体の痺れ |
運動して体が火照っているとき、通常なら「ポカポカ」という感じなのだが
これが「ジンジン]に変わる。運動後の心地よさみたいなのが感じられない。
足のつま先などの痺れが顕著である。
|
| 発汗 |
すげ−量の汗をかく。とくに睡眠中。 |
| 脚に茶色(紫色?)の斑点 |
コインくらいの大きさの薄い斑点が脚全体にわたって現れる。血管の炎症によって毛細血管が
破け、内出血した状態・・・だったっけ?? |
病院の検査で現れる症状
| 炎症反応 |
血液検査でCRPという成分の値が跳ね上がる。 |
| 尿潜血 |
腎臓をやられたことにより発症する。尿に血液が混じるといっても、いわゆる「血尿」ではなく、
見た目で分かるものではない。 |
| 尿淡白 |
これも腎臓をやられるまで進行すると出る。 |
◆原因
結論
「原因不明です」。
免疫抗体はDNAの情報を元に作られると言われています。悪い免疫を作ってしまうってことは、
DNAの中の免疫を司る部分が異常を起こしている、ということになります。
なぜこのような異常が起きるのかについては2通りの説があります。
@何らかの原因により、正常だったDNAが突然変異を起こす。
A生まれつき皆、異常なDNAを持っているが、それを抑制する何らかの機構も持っている。
その機構が何らかの原因で壊れた結果、発病する。
ここで、@Aとも「なんらかの原因で」というのが出てきていますが、この原因についてもいろいろな説があるようです。
本などで紹介されている説を以下に挙げていきます。
| ストレス説 |
統計的には正しいと言えるようです。が、ストレス物質がどのように悪さしてるのかはわかっていないようです。
精神的ストレスと肉体的ストレスが同時に、且つ長期間かかり続けた
結果発症する、というケースがかなり多いようです。特に発病直前は
極度のストレスが何日もかかり続けていた、という話もよく聞きます。
俺も思い返してみると、このケースに当てはまっています。
→詳細:闘病日記/発病直前 |
| 遺伝説 |
家族の誰かがこの病気を持っていた場合、生まれてきた子供が将来同じ病気を発症する確率は数%程度と言われてます。
小さい数値に感じるかもしれませんが、家族内に患者がいない場合と比較すると明らかに大きい値だそうです。
一般常識でも、膠原病は遺伝性の病気であるという認識は強いです。遺伝子異常が直接の原因なのだから
遺伝するでしょ、って考えるのは当然と言える。
ただし、これは次の「ウィルス」だとしても説明がつくような気がします。
ちなみに、俺の家族や親戚で同じ病気にかかった人は、知る限りいません。 |
| ウィルス+α説 |
ある種のウィルスに感染した状態で、更に何らかの条件(例えば先のストレス等)が満たされると発病する、という説。
ウィルスだけで発病するのなら他人に次々と伝染するはずですが、膠原病は伝染しないというのが一般常識です。 |
| 薬物説 |
薬の服用が引き金となって膠原病が発病する、という説。
俺は発病の数ヶ月前に痛み止めの注射を受けていますが、関連あるのだろうか。 |
最近読んだ本ではAの説が有力と書かれていました。体内に持っているDNAのうちのほとんど(90%でしたっけ??)は使われていないって
言われてますからねぇ。そういった異常なDNAが皆の体の中に隠れていても何ら不思議ではないのかもしれません。
いずれにしても、一つの要因だけで発病するのではなく、複数の要因が偶然重なりあったときに発病する、
ということは共通しています。
◆治療法
結論
「治療方法は現在のところありません」。そもそも病気の原因がわかっていない以上、仕方ないが。
不治の病の代表とも言える。膠原病の治療方法を確立させたら
ノーベル賞確実とまで言われている。
ただし、症状を抑える方法はある。中でも
ステロイド治療が最も一般的である。
また、治療方法がないからといって、絶対治らないと言ってるわけではない。
薬で症状を抑えながら自然に治るのを待つしかない、というだけのことである。
・ステロイド治療
膠原病とステロイドは切っても切り離せません。膠原病患者の多くはこの治療を受けることになるハズだ。
具体的に何をするかと言うと、ステロイド薬を飲む、あるいは点滴するだけ。
この薬は体内の副腎ホルモンの分泌を抑えることにより、炎症を軽減し、また免疫力を抑える働きがある。
これにより、膠原病の「悪い免疫」を減らすことで、症状が治まっていく。
効果は絶大で、俺も3ヶ月通院をして色々な薬を試しても全く症状が改善されなかったのに、この薬を飲み始めて
2日後には完全に収まってしまった。「もう病気が治ったのでは?」と錯覚するほどだ。
この薬はずっと飲みつづける必要がある。そして症状が治まりだしたら少しずつ飲む量を減らしていく。
量を減らしても症状がぶり返してなければ更に量減らす。減らしすぎると、病気のほうが勝ってしまい、症状がぶり返すことになる。
最終的に可能な限り少ない量で安定させる。また、服用量をゼロにしてもぶり返しがなければ、めでたく完治となる。
「そんな良い薬があれば何も心配ないじゃん?」と思われるかもしれないが、良いことばかりではない。
免疫力を抑える、というのは悪い免疫だけじゃなくて良い免疫もひっくるめて抑制してしまうということである。
免疫力が低下すれば、当然風邪や他の病気に掛かりやすくなる、一旦掛かってしまうと一気に進行してしまう、
といったリスクが発生する。
実は膠原病そのものよりもステロイドによる免疫力低下によって、ちょっとした風邪から肺炎などを引き起こし、死亡する例が
少なくないそうだ。そのため、プレドニン服用量が30mg/日を超える場合、入院させられる。医者も、とにかく風邪を引かないように、
ということをしつこく言ってくる。
更に、この薬は
副作用が多いことでも有名である。俺が医者から説明を受けたものだけでも以下の通り。
| ・太りやすくなる | ・食欲が過剰になる |
| ・糖尿病になりやすくなる | ・骨粗鬆症になりやすくなる |
| ・筋肉が落ちる | ・目の白内障になりやすくなる |
| ・眠れなくなる | ・体が痒くなる |
| ・胃が傷められる | ・・・etc. |
このように多くの、深刻な副作用があるため、ステロイド治療を開始する前には医師からの説明があり、
本人と家族の同意書を提出しなければ治療を開始できない。
もちろん全ての副作用が出るとは限りません。俺の場合は大した副作用は出なかった。
→詳細:
勝手に推測!『全然違うぢゃんか!』
・・・と、確かにデメリットも多いが、それを差し引いてもその効果は偉大である。
・血漿交換療法
自分の血液を取り出し、「血漿」のみを分離して廃棄し、血漿以外の成分を輸血用の血漿と混ぜて再度身体に戻す、というもの。
俺は入院中にこれを週一回のペースで計4回行った(→詳細:
闘病日記:入院@)
メリットは体内の悪い免疫抗体を一気に減らせること、その結果ステロイド薬の量を減らすことができ、副作用が軽く済むこと。
デメリットは輸血による未知のウィルス等への感染の可能性がゼロではないこと。
俺がこの治療を受けたときはまだ研究段階だったようだが、先生曰く「かなり効果があったようだ」。
将来、ステロイドに代わる治療方法となるのだろうか。今後に期待。
・・・忘れてた。最大のデメリットは、この治療を受ける日は
朝飯ぬきってことです。入院中、食事制限を受けている患者にとってこれはイタイ。イタすぎる!!飯ぬかないでも可能な血漿交換療法を確立させたら
ノーベル賞確実。
・その他
京大の教授がDNAを発見したという記事を見たことがある(2002年7月31日朝刊)。膠原病治療方法確立の足がかりになるのでは・・・と。
病気の直接の原因が遺伝子の異常なんだから、遺伝子そのものを正常に戻す(あるいは異常部分を消し去る)ことができるのなら、
あるいは・・・。ただ、膠原病は複数の原因が重なって発病するという説が有力なため、遺伝子をいじるだけでは直せないだろう、
とも言われている。
◆闘病生活
・入院
ステロイド薬の服用量が1日当たり30mg(プレドニン換算)を越える場合、感染等の危険を避けるため入院が義務付けられる。
入院するといっても、基本的にステロイド薬を飲むだけ。あとは定期的に尿検査や血液検査を行うのみである。
別に手術とかするわけではない。俺はこれに加えて血液交換と腎臓の検査があった(膠原病によって腎臓を傷めていたため)。
う〜ん・・・ヒマ!!→詳細:
闘病日記:入院@
・通院
だいたい月1回のペースで病院に通い、尿検査、血液検査を行い、症状を見てプレドニンの
量を減らすかどうか先生が決める。
もちろん仕事などの都合で毎月通院が無理なら、先生に言えば必要量の薬を出してもらえるので
心配はない。
・医療費は公費負担である
膠原病は
特定疾患に認定されています。申請は自分の住民票のある県に対して行います。
患者として認定されれば医療費の一部、又は全額が公費負担となり、自己負担額ほとんどなくなります。
自己負担額は県によって異なり、また病状や、本人の収入状況によっても変わってきます。
同じ県でも年度が変わると額が変わる場合があります(県も財政苦しいとかあるのでしょう)。
俺の自己負担額はこれまでのところ下表の通りでした。
医療費自己負担額の例
| 区分 | 収入 | 申請先 | 自己負担額月額上限 |
| 入院 | ¥0(学生) | S県 | ¥100,000ちょい |
| 通院 | ¥0(学生) | S県 | ¥1,000 |
| 通院 | ¥0(前年学生) | S県 | ¥0 |
| 通院 | 並(サラリーマン) | O県 | ¥2,000 |
| 通院 | 並(サラリーマン) | O県 | ¥5,000 ※ |
| 通院 | 並(サラリーマン) | T都 | ¥10,000 |
※財政が厳しさを増しているのか、はたまた別の理由かはわかりませんが、いつ頃からだったか自己負担額が少し増えました。
ちなみに医療費とは薬代も含みます。従って病院での支払額だけで月額上限に達している場合は、
処方箋持って薬局へ行って薬をもらうときにタダでもらえます。ちょっと嬉しい。
◆日常生活への影響
・食事
「膠原病患者は○○は食べてはダメ」というのは聞いたことないが、一応注意は受ける。しかしどれも常識的な
ものであり、膠原病患者でなくとも本来守るべきものばかりだ。
俺が受けた食事に関する注意
| 注意点 | 理 由 |
| 甘いもの・脂っこいもの摂りすぎないこと。 |
プレドニンの副作用で「太りやすい」「糖尿尿になりやすい」というのがあるため。プレドニンは
食欲を増進する副作用があると言われており、糖尿病の危険も増すことから、真っ先にこのような注意を受ける。
(→関連:勝手に推測!『全然違うぢゃんか!』) |
| 高タンパク・高カルシウムを意識的に摂るようにすること。 |
プレドニンの副作用で「骨粗鬆症になりやすい」「筋肉が落ちる」というのがあるため。 |
| 塩分・タンパク質を摂りすぎないこと。 |
腎臓に負担をかけることになるため。俺は病気により腎臓を傷められたので、このような注意も受けた。
具体的には1日当たり塩分7g以下※、タンパク質70g以下 |
<最重要項目> アルコール類について |
常識の範囲内なら問題ないそうです。これで一安心! |
※ちなみに健常者に対しては1日10g以下、できれば7g以下が理想と言われている。
では塩分7gとはどれ程の量なのか。
ex.1 塩ラーメン:麺4g + ツユ5g = 合計塩分9g
つまりラーメン食べるときにツユを全部飲み干したら、1食で10g近く(場合によってはそれ以上)摂取してしまうんですね。
20歳越えたらラーメンのツユは残す、というのは今や常識とも聞いたことがあります。
とはいえ、ラーメンのツユ、おいしいんですよね〜。全部とまではいかなくても何回か蓮華ですくって飲む分にはかまわないでしょう。
ex.2 ポテトチップス:1.5g
めちゃくちゃ塩使ってそうだけど1袋1.5gと大したことない。
気にせず食べても大丈夫そうだ。むしろポテチは脂肪が多いことに注意。
もちろん体格差もあるだろうし、そもそも10g、7gってのもおおまかな値だろうから、
1g単位でキッカリ測って食べる、なんてのはナンセンス。
ただ、常日頃からこういうことを意識できるってことが大事。
あと、今自分の食べてる料理にはどれくらいの塩分が含まれているのか、大雑把に見積もれることも大事。
5gと6gの違いを判別する必要はないが、1gと10gの違いは把握していないとね。
その他の栄養素についても同じ事が言えると思う。
・運動
身体の負担にならない程度の運動や野外での活動は可能であると言われています。プレドニンの副作用「糖尿病になりやすい」「骨粗鬆症になりやすい」「筋肉が落ちる」を防ぐためには、むしろ適度な運動が必要になります。もちろん、リウマチなど間接に炎症を起こしている場合は過度な運動はできないと思います。そういった患者さんにとって適切な運動方法というのは、医師から説明があるはずです。
・生命保険
ガンなどと同じく、膠原病の病歴がある人は新たな生命保険に加入することは
ほぼ100%不可能です。発病前に加入していた場合であっても、他のプラン・コースに切り替えることは難しいと思います。自分は20歳のときから生保に加入してたのでセーフでした。「自分は大丈夫」と思って生命保険に入ってないアナタ!病気にかかってからでは手遅れですよ。今すぐ加入することをお勧めします。明日朝起きたら膠原病にかかっていた、なんてことがあっても、ちっとも不思議なことではありません。俺は何の前兆もなく発病しましたよ。運動不足でも、不摂生でもなかったのに(注:俺は生保会社の回し者ではありません)。
最近は医師の審査不要ってのよく聞くけど、こういうのは病歴があってもOKなんだろうか?医師の審査は要らないが、自己申告は必要で、やはりアウトになるのか?
・就職
プラスになるってことはないでしょうけど、普通に活動できる状態なら問題ない。あとは
本人の気持ち次第です。普通に働いてる人はたくさんいます。俺なんて「バリバリ海外出張かつ肉体労働かつ深夜残業あり」の仕事をやってた時期もありました。バリバリ職人現場で「ブラッ○かよ?」というくらい休日も少なく家にまで仕事持ち帰って毎日睡眠4時間くらいの仕事のときもありました。
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